私の友人で30代の中国人であるCさんは、中国国内で軽食チェーンレストランを経営しています。
Cさんは伝統的なビジネスマンと違って、新世代の若いビジネスマンの一人です。
服の種類は、日本でよく見るビジネーススーツではなく、カジュアルな洋服です。日本のビジネスマンと違って、商談の場でも彼はまったくスーツを着用しません。そんな彼は、日本のファションブランドの洋服を買っています。本店が目黒川付近にあるDESCENDANTや、2000年にHiroshiFujiwaraによって設立されたvisviumなどが彼の選択肢です。一点あたりの値段が、殆ど1.5万円以上で、半袖T-シャッツに関しては最低価格で7000円とのこと。
彼が着用している日本ブランドのカジュアル洋服は、商談の場で、彼の飲食店ブランドに「お洒落」、「前衛」、「進取」、更に「快適」、「落ち着く」、「親しみ易い」などと相手の目には映っているのかもしれません。
彼は1980年代後半生まれ、伝統的なサラリーマンスーツの代わりに、ややカジュアルな服で働き、服によって自分のセンスや趣味などを表現し、同じような考えや価値観を持つ人を誘って、事業を更に発展させています。
経済的な自立、収入は、一般的な若い会社員より高く、センスやビジョン等、柔軟な考え方があります。
今までのビジネスマンとは異なる自由さや、新しいものを試みるなど、まだ完全に階層化されていない中国社会では、徐々に増えているクラスです。
多忙なCさんはが日本ブランドなどの海外服を購入する方法は、オンラインショップや海外個人代理店です。
私は彼に、海外ブランド専門店の中国オンラインショップを紹介してもらいました。
(オーナは、本社が上海にある人気ファション雑誌の前編集長)
そのオンラインショップでは、あらゆる日本ファションブランドを見つけることができます。日本で暮らしている私でさえも驚きました。
販売されているブランド情報を調べたところ、ほとんどのブランドが、中国では正式に事業を展開していないのです。
中国国内でその日本ブランドを発売しているのは、海外販売代理権を取った人、あるいは、海外個人購入代理の人だけということです。
そんな代理販売方法では、高い国際郵便料金が商品に付随されているのは当たり前です。
しかし、上記に言及したオンラインショップの発売記録から見れば、購入者はその「商品に付随している」高い金額をあまり気にしていません。
彼らは「偽物ではないなら、他は重要ではない。」「付随金額を加えても、本物なら納得できる。」と言っています。
ちなみに、日本で購入したものを中国で転売した際、価格はなんと30倍の値がつくブランドもあります。
ほかにもこんな声が耳に入ってきています。
私の周りの男性友人は(ほとんど1985年~1990年生まれ)、「中国国内にいる時に、きれいな男性洋服を買いたかったが、自分の年齢や気分に合う服を見つけられなかった」と文句を言っています。おじいさんのような昔っぽい服、又はひどい設計のパイプラインアパレル製品、あるいは質が均一でない尾単ばかりなのです。(尾単とは、例えば某ブラントで20個の受注が入った工場が、30個作ったとします。その内、厳選された20個はブランド品として高値で売られますが、残った10個は安値で売られます。この安値で売られるもの、つまり余った分を尾単と言います。中国では工場がたくさんあるので、尾単が多く出回っています。)
結果、彼らはUNIQLOに戻りました。20代、30代、40代と幅広い世代が、みんな同じUNIQLOのフランネルシャツを着ているのです。
個性を重視している多くの20代、30代は、この結果に満足できるわけがありません。
次回は、もう少し具体的な例を挙げ、掘り下げていきたいと思います。
お楽しみに。