CJコラム

訪日ビジネスを考える 訪日台湾人を知る (4) ~SNS先進国~

今回のテーマについて、結論から言ってしまうと『台湾向けのプロモーションはFacebookが戦場』です。
Facebookアカウントを持っていないということは、台湾人から見て世界に存在していないものと言ってしまっても過言ではありません。
当社は、多言語Web制作を扱う会社と言ってはおりますが、台湾向けと言われると、『繁体字サイト作るのも良いですけど、それ以前に、Facebookのアカウントをどうにかしませんか?』ということをお返しすることもあります。
今回は、台湾人にとって空気や水と同じレベルで欠かせないSNSについて紐解いてみます。



・人口約2,300万人の内、2,000万人がインターネットユーザー。
・スマートフォンによるインターネット利用時間は3時間超/日と世界最長。
・1,900万人のSNSアクティブユーザーがおり、内1,800万人がFacebookユーザー。
・対人口Facebook利用率は78%と、アジア圏で1位。
 (ちなみに、日本は対人口Facebook利用率はわずか19%。)
・LINEもメッセンジャー用途を中心として普及。1人1日あたりの平均投稿回数としてSNSとしてはfacebookよりも多く、最多。
・台湾の一般人の何でも無い投稿に数千いいね!が付くのもざら。
・台湾大手メディアの情報ソースの多くに、SNS発信のものが多々見られる。
・家族全員三世代、Facebookアカウントで繋がっていることが普通。おばあちゃんが自撮り写真をしょっちゅう投稿しているという光景も普通。

 

何故、台湾では上記のような極端な事になっているのかというと、中国語繁体字は、世界での使用者数が推計約5,000万人程度(台湾・香港・マカオ・非中華圏華人が主に使用。)と少ないことが原因で、海外から入ってくる娯楽の多くが、繁体字に対応していないことが挙げられます。
これにより、繁体字が使用できる娯楽に集中する傾向(というより、それしかない)が起きます。
とはいえ、これだけでは、インターネット以外の娯楽もさすがにあるだろうと思われるでしょうが、この背景に加え、勤務中のスマートフォンの私的利用を制限していない企業も多く、これはもう、暇ならSNSやるしかないでしょ!という状況に拍車を掛けています。
以上がインターネットに人が集まり、SNSが活況を呈している大きな背景です。



では、どういったものを投稿していけば、より効果的なプロモーションになるのかということですが、基本的なところは全世界共通に以下の様なポイントにまとまります。

 

・内容よりも数。とにかく投稿する。
・テキストは少なく1行以内。説明が必要な写真は好まれない。
・今一押しの●●など、自画自賛する。
・グループに積極的に参加申請。
・企業アカウントだからといって、個人に対して友達申請やいいね!をしにいくのを躊躇しない。
・いいね!で参加できるキャンペーンを頻度高く実施。
・先に何かを計画しても、ほとんどうまくいかない。何がウケたかを後から分析し、次に活かすスピード感を優先。
・メインイメージは頻繁に変更する。

 

尚、本気でやるならば、投稿頻度については、Facebookに張り付くことが必要になるレベルで投稿していくことが求められます。
何を載せるか、載せる物がウケるのか?を考えるよりも先に、とにかく、この記事をご覧になられた今この瞬間に、facebookのアカウントに繁体字を追加してください。そして、日本好き集まれ!と言っている、繁体字のグループに参加申請をしてください。

蛇足ですが、台湾を軸に取り上げましたが、台湾だけが特殊なのでは無く、アジア圏の(日本以外の)国や地域では、Webサイトはすでに過去の物となり、SNSやアプリがプラットフォームのメインになっているという状況です。

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