CJコラム

AI Overview時代の英語サイト戦略:構造編

前回のコラムでは、検索の入口がAIへ移りつつあるいま、英語サイトは「AIに理解され、引用されるレベルで整える必要がある」という話をしました。
今回はその中でも、最初に取り組むべきテーマ、「情報の構造(Information Structure)」 について掘り下げていきます。

AI Overviews が参照するのは、単に「英語で書かれたページ」ではありません。
AIが論理的に読み取れるよう、情報が整理されているページ です。

人が読むことを前提にした文章構成と、AIが理解できる構造は似ているようで大きく異なり、ここを押さえられないまま翻訳だけを整えても、AIに引用されることはほぼありません。では、AIにとって「構造が良い英語ページ」とはどのようなものでしょうか。


 1. AIは「論理的に並んだ情報」しか理解しない

AIは人間のように前後の文脈を補完してくれません。
日本語サイトの内容をそのまま訳した英語ページによくあるのが、

といった構造的な問題です。

人間はある程度“空気を読んで”理解できますが、AIは論理構造の欠損にとても敏感です。
構造が崩れたページの情報は、正確に解釈されず、結果として AI Overviews の参照候補に入らない のです。


2. 必須となる「英語サイトの基本構造」を決める

SGE(注)時代にAIが読みやすいホームページの構造は、以下のようなシンプルな体系です。

  1. Overview(概要)
  2. Key Features / Strengths(特長・強み)
  3. Why it matters / Background(背景・価値)
  4. How it works / Usage(仕組み・使い方)
  5. Evidence / Achievements(根拠・実績)
  6. FAQ(よくある質問)
  7. Contact or CTA(問い合わせ・次のアクション)

これは、海外企業のコーポレートサイトやサービス紹介ページで広く採用されている“標準的なWeb構造”であり、AIにとっても最も理解しやすい形式 になっています。

一方で、日本企業の英語サイトによく見られるのは、

といったパターンです。

こうしたページは、AIにとって「何のページか」「どんな価値があるのか」が把握しづらく、結果として AI Overviews の参照候補から外れやすくなります。

注:SGEとはSearch Generative Experienceの略で、Google検索に生成AIを組み込み、複数の情報源を要約して検索結果冒頭に提示する仕組みです。

 


 3. 情報構造は「英語翻訳の前」に決めるべき理由

前後の文脈や背景情報が欠けたまま翻訳を始めても、
英語は自然でも構造は日本語のまま、という状態が生まれます。

すると、

という問題が残ったままになります。

逆に、構造を設計してから翻訳すると、AIにとって解釈しやすい文章が生まれます。

SGE時代に強い英語サイトは、例外なく「構造を先に決めている」サイトです。

 


4. FAQを置くとAIが理解しやすくなる理由

前回のコラムでも触れましたが、FAQはAIが最も参照しやすいフォーマットのひとつです。

理由はシンプルで、

という“セット”になっているため、AIにとって扱いやすいからです。

特に、

といったFAQは、AI Overviews が引用しやすい典型的な情報構造です。

FAQを置くだけで、英語サイトの“AI対応力”は大きく変わります。


5. 「AIが拾う情報」を意識した構造が不可欠

AI Overviews が参照するのは、網羅性のある情報ではなく、「検索意図に沿った、目的に応じた構造化された情報」 です。

例えば、以下のようなページ構造はAIに選ばれにくくなります。

こうした構造は、AIにとっては「判断しづらい情報」です。

これからの英語サイトに必要なのは、AIが迷わず読み取れるよう整理された、論理構造にもとづくコンテンツ設計。

これが、英語ページがAI Overviewsに引用されるための前提条件になっていきます。


おわりに:構造は「AIに選ばれる英語サイト」づくりの最初の一歩

AI Overviews 時代の英語サイト戦略において、
最初に見直すべきは 情報構造そのもの です。

こうした構造的な判断が、
“AIに選ばれるかどうか” という新しい評価軸に直結しています。

次回は、同じく重要なテーマである英語表現(English Expression) に焦点を当て、AI Overviews に引用される英語とはどのようなものか、具体例を交えながら解説していきます。

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