CJコラム

AI Overviews 時代の英語サイト戦略:英語表現編

AIに“理解される・引用される”英語とは何か?
前回のコラムでは、AI Overviews 時代の英語サイトづくりにおいて、最初に整えるべきは「情報の構造」であるとお伝えしました。構造が整っていないページは、AIが目的や意図を解釈できず、引用候補に入らないためです。
しかし、AIに引用されるためには、構造だけでは不十分です。

英語表現そのものが“AIにとって理解しやすいかどうか” という点も、同じくらい重要です。
AI Overviews の生成プロセスは、大量の英語情報を読み取って要点を抽出するという仕組みのため、情報構造に加えて「機械的に正しく読み取れる英語」が求められます。
今回は、SGE時代の英語サイトに必要な「英語表現」の要点を掘り下げます。


■ 1. 抽象表現よりも「明快な記述」が圧倒的に強い
日本語では、ふわっとした抽象表現や余白のニュアンスを残した表現が自然ですが、
英語ではそれが AIにも人間にも理解されにくい“曖昧な文章” になってしまいます。
たとえば日本企業でよく見られる表現:
• We aim to create new value for society.
• We support customers’ transformation.
• We contribute to the future through innovation.
どれも正しい英語ですが、内容が抽象的すぎて AIは「何をしている会社か」判断できません。
AIが引用しやすいのは、次のような具体性のある表現です。
• We provide cloud integration services for manufacturing companies.
• Our platform automates inspection processes using computer vision.
• We develop battery materials that improve energy density by 20%.
「何を・誰に・どう提供しているか」 が明快に書かれていると、AIは確実に理解できます。


■ 2. 英語表現は“前提を残さず書き切る”ことが条件
日本語の文章には、前提や背景の“共通認識”が隠れていることが多く、そのまま英訳すると次のような問題が起こります。
• 主語・目的語が省略されている
• 結論が後ろに回されている
• 文脈がつながらない
• 専門用語の定義がない
AIは、人間のように文脈を補完してくれません。
たとえば日本語では自然でも、英語では理解不能になるパターン:
NG例:
By improving operational visibility, new value can be created.
→ 誰が? 何の可視化? 何の価値?
AIには「文法的には正しいが意味が特定できない文」と判断されます。
改善例:
By visualizing production line data in real time, manufacturers can reduce downtime and improve operational efficiency.
AIが理解できるのは 背景 → 対象 → 具体的効果 が明確に書かれた文章です。


■ 3. 一次情報(ファクト)を英語で明示する
AI Overviews は、信頼できる“一次情報”を参照する仕組みになっています。
しかし多くの日本企業は、一次情報が「日本語ページのみに存在する」状態です。
例:
• 導入実績の数字
• 独自技術の仕組み説明
• 製品スペック
• 社会的インパクト
• 専門家コメント
これらが日本語版にしかないと、AIは英語ページから理解できず、参照もされません。
翻訳ではなく「英語版で一次情報を言語化する作業」が不可欠なのです。


■ 4. 文章の“型”があるとAIは理解しやすい
英語には、情報を整理して伝えるための基本的な構文パターンがあります。
AIはこれらの形式化された構造を認識しやすいため、引用される確率が上がります。
よく使われる“AIに強い”型
① 結論 → 理由 → 根拠
Our AI detects anomalies with 98% accuracy because it analyzes multi-layer sensor data.
② What(何を)→ How(どうやって)→ Value(価値)
The system automates reporting by using NLP to summarize daily logs, reducing manual effort.
③ Problem → Solution → Impact
Manufacturers struggle with downtime. Our monitoring platform predicts failures and cuts downtime by 30%.
これらは海外企業が好んで使う型でもあり、AI Overviews が参照しやすい形式です。


■ 5. 避けたい英語:曖昧な表現・抽象表現・広告的表現
SGE時代の英語サイトで特に避けたいのは、
• innovative
• cutting-edge
• world-class
• various services
• comprehensive support
などの“意味が特定できない”形容表現。AIはこれらの表現を読み取っても、具体的な情報として解釈できません。結果として 引用されない/重要度が低いと判断される 可能性が高まります。


■ おわりに:英語表現は「AIと海外ユーザーの両方が理解できる言語」へ
SGE時代の英語表現は、従来の「正しい英語」だけでは不十分です。
AI Overviews に引用されるためには、
• 曖昧さの排除
• 背景と対象の明確化
• 一次情報の提示
• 論理構造に沿った文章の型
• 抽象表現よりも具体表現
これらがそろって初めて、“AIに強い英語ページ”になります。
次回は、英語サイトの信頼性を左右する要素であるE-E-A-T(専門性・信頼性・権威性・経験) をテーマに、AI Overviews に選ばれるための「信頼性の示し方」を解説していきます。

 

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