多言語グラフィックデザインを依頼する際、言語ごとにデザインを変えるなければなりませんか?
国や地域ごとに、宗教、慣習、文化といった無視できない要素があったり、大雑把にいえば好みの違いもありますので、理想を言えば変えるべきだと思います。
ただし、コストに跳ね返ってきますので、限られたご予算の中で現実的には、「調整」は必要です。
言語が変わると、見た目のバランスや伝わり方が大きく変わるため、それに対応したレイアウト変更やタイポグラフィの工夫が求められます。
例えば、日本語では縦長の漢字やひらがなが中心で、文字の密度が高くなりやすい一方、英語ではアルファベットによる横方向の広がりが強く、空間の使い方が異なります。中国語や韓国語、アラビア語、ロシア語なども、それぞれフォントの形状や文字数、読み方向(右→左、上→下)などの違いがあるため、グラフィック全体のバランスが崩れることがあります。
このため、ベースデザインは共通にしつつ、言語ごとに文字サイズや位置、行間、余白の調整を行うのが実務上の最適解です。また、キャッチコピーの長さも言語によって大きく異なるため、テキストボックスの可変性やフォントの汎用性をあらかじめ考慮したデザイン設計が求められます。
ですが、単なる文字を主としたレイアウト調整だけではリスクが伴います。冒頭に挙げた、宗教、慣習、文化といった背景を考慮しませんと、広告物がネガティブキャンペーンの引き金になってしまうこともあります。特に、色が与える意味は、国や地域ごとに全く真逆ということもあります。また、人の写真やジェスチャーにも文化的な解釈の違いがあるため、素材の選定にも注意が必要です。
こうした観点から、多言語対応のグラフィックデザインでは、「多言語展開を前提にしたデザイン設計」を初期段階から行うことが成功の鍵になります。
最初からその設計思想を持つデザイナーやチームに依頼することで、後工程の修正も最小限で済み、スムーズな展開が可能になります。
もちろん、当社であればこうした点を踏まえ、ご予算に合う最適なご提案が可能です。お気軽にご相談ください。