厚生労働省の発表の通り、現在、日本へ入国される方へのワクチン証明書または出国前検査証明書の提示が不要となっています。
2023年4月29日午前0時よりいわゆる水際対策は撤廃され、日本も世界基準としてポストコロナに移行しました。
そして、街には外国人観光客の姿が戻ってきており、ポストコロナ初の大型連休も過ぎて、比較的平穏な状態を維持しているといえるでしょう。
さて、久々に日本の観光地、繁華街で外国人の姿を見ると、懐かしいコロナ前の景色、日常の景色が戻ってきたなと実感するところはありますが、果たして実際にはどうなのでしょうか?JNTO「訪日外客統計」の数値を比較してみました。
※2023年3月および4月は暫定値であり、主要国のみの概算合計値です。
全世界計
直近の2023年4月は、コロナ前同月2019年4月と比べて、33%減の1,949,100人となりました。
まだまだといえるかも知れませんが、この数値は、訪日外客数が日本人海外旅行者数を43年ぶりに逆転し、旅行収支が53年ぶりに黒字に転じ、インバウンド施策の過熱がメディアを賑わせはじめた2015年4月を超える水準です。
アジア
アジアは、比較すると40%減と戻りが遅れているように見えます。理由は、中国からの訪日外客数がほぼ戻っていないためです。
その理由は、中国が日本を「団体旅行解禁対象国」に未だ入れていないことにあります。『え?中国人外客って、個人旅行でしょ?』と思うかも知れませんが、個人が団体ツアーに参加していたのが、コロナ前の多数派です。
ほら、思い出して下さい。銀座、新宿、浅草界隈の路肩に、でかい観光バスが連なって止まっていて、そこからぞろぞろ乗り降りするアジア人風の旅行客居ましたよね?また、伊豆の温泉街に、夜観光バスがひっきりなしに向かっていませんでしたか?それらが、中国人観光客です。
中国において、本当の意味で個人旅行(自由旅行)をできるのは、一握りの方々です。
そのあたりについては、以下の記事もご参照下さい。
ヨーロッパ
東西ヨーロッパも、平均からみると戻りが遅いように見えますね。ただ、これは統計数値の問題で、2023年3月および4月のデータは、一部の主要国だけの暫定値であることが原因です。
例えばアジアのように、中国・韓国・台湾・香港あたりの数値が出ていれば、正式値との差があまりない結果となりますが、ヨーロッパからは、構成国で満遍なく訪日外客があり、各国差が小さいため、一部主要国しか数値がないと。正式値との乖離が大きくなります。
試算上は、30~35%減とみられます。
北米
来ました!(何が)
2ヶ月連続コロナ前の同月を上回っています。確かに、新宿歌舞伎町で夜のネオンを撮影している方は、コロナ前に比べると感覚的なものではなく、明らかに圧倒的に欧米人が多かったので、ここは増えているのだろうなと思っていました。
円安ドル高、恐るべし。
総論としては、やはり、中国がいつ団体旅行解禁対象国に日本を入れるかというところでしょうか。とはいえ、中国文化観光省が、不要不急の海外渡航全般について控えるように通達を出していたり、本土でのコロナ再流行が報じられたりなど、まだまだ不透明な要素が多々あり、過剰な期待は禁物というところでしょうか。