今回は番外編で、ローマ字表記の面白い事例をご紹介します。
皆さんは電車に乗っているとき、駅名のローマ字表記に目を向けたことはありますか。
よく話題になるのが、日本語の「ん」はMかNか、どちらかという問題です。
駅名や地名に「ん」が入る名称は数多くありますが、それにMとNが使い分けされていることをご存知でしょうか。
何を今さら、「ん」はNでしょ、と思われる方も多いと思います。
実際大多数はNなのですが、以下の例を見てください。
新橋 Shimbashi
日本橋 Nihombashi
神保町 Jimbocho
小伝馬町 Kodemmacho
この表記方法は改修ヘボン式とよばれるもので、「ん」の後に続く音がB、M、Pの場合はMを用いて、そのほかの「ん」にはNを使うというルールに則っています。
Mを入れた表記は、実際の口の動きに即しているので、日本語を聞きなれない外国人が発音をしやすいように工夫されているのだと思います。
しかし厄介なのが、このルールが日本国内で統一されておらず、鉄道以外の道路標識や住所表記では日本橋がNihonbashiとなっていることも少なくないのです。
元々ローマ字は、江戸時代末期にアメリカ人宣教師のヘボンが最初に作りました(いわゆる「ヘボン式」)。その後、日本人の大学教授による「日本式」が作られたり、戦後アメリカ統治下で指令が出されたりしつつ、さまざまな修正版を生み一本化されないまま今に至るようです。
ローマ字表記で悩ましい思いをしているのが群馬県です。
群馬県庁では、県名の表記としては”Gunma”を使用していますが、外務相の発行するパスポートでの表記は”Gumma”になっているそうです。群馬県庁ではこの事態の説明資料をわざわざ用意したというのですから、そろそろローマ字表記を一本化した方が、いろいろなところで面倒をなくすことにもなるような気がします。
群馬(ぐんま)のローマ字表記について
https://www.pref.gunma.jp/page/6060.html