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訪日ビジネスを考える 訪日タイ人を知る (3) ~ タイの方々には「好奇心旺盛」で「保守的」

訪日タイ人を知るシリーズ第3回目となります。
訪日ビジネスを考える 訪日タイ人を知る (1) ~ 他の国とはちょっと違うタイ人の旅行目的
訪日ビジネスを考える 訪日タイ人を知る (2) ~ 他の国とはちょっと違うタイ人の旅行目的


さて、国別に訪日外国人を紐解いて、結構な本数になっている今更ながらのお話ですが、正直、日本でしか買えないものはありません。
タイの方もそうです。
タイには日本食レストランが2,000以上ありますし、伊勢丹もあれば、駐タイ日本人御用達のフジスーパーなど、都市部であれば、日本食材は簡単に手に入ります。一時期話題になったキットカット抹茶味も、実は2015年頃からタイ現地で売っています。(味は違いますが。)

さらには、日本の定番の食事シーンにも抵抗感があります。
まず、器に直接口をつけるのはタイの方は躊躇します。ラーメンとかはレンゲでセーフですが、味噌汁は少々厳しいかと。
外国人定番の、音を立てて麺をすすることも、当然抵抗があります。

 

では、改めて、何故日本への旅行が人気なのでしょうか?

根本的な理由は、タイの方々には「好奇心旺盛」で「保守的」という背反するような二面性があることです。
少々乱暴ではありますが、わかりやすくいうと、私は、例えお昼食べたうどんがおいしかったからと言って、香川県に行こうと思わない人間なのですが、タイの方は、昼食べたうどんがおいしければ、日本に行こうと思う方々です。
つまり、タイ本国に日本の企業やサービスがかなり進出していることで、事前に見て、聞いて、体験する機会が多く、その結果として、いつか、本場を知りたいということが日本への旅行人気が高い一因といえます。

欧米人は、比較的チャレンジ精神を持って日本に来て、日本でしかできない初めての体験に一喜一憂するのですが、タイの方々は、経験したことのある何かを、アップデートすることに期待をして日本に来るという理由が多いです。
訪日タイ人のニーズを把握するために、前回挙げた現地のポータルサイト「sanook」で取り上げられている内容などを気にしておくことは、有益といえるでしょう。

 

タイの方々は、日本の日常的な品質の高さに好印象を持っていますので、気さくな日本らしいコンテンツというのが、ウケます。
タイ人向けに特別にアレンジした何かというのは、特に求められていません。
タイの方々は、自分自身で特別を見つけて楽しむ方が多いので。
国民性の違いを理解することもとても重要なことですね。

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