2018年末、国内のSNS利用者数は7,486万人(74.7%)※1へ拡大すると予測されており、いまや新たなインフラとなりつつあります。
昨年、経済産業省はこうした気運の高まりを受け、民間企業のSNS活用支援を目的とした「企業のソーシャルメディア活用に関する調査報告書※2」を公表しました。この報告書は、アンケート調査から分析した現状の課題、解決策の提案のほか、国内外42社のSNS成功事例を集めた「Social Media Best Practices」が含まれており、SNS施策に悩む多くの企業にとって有効かつ興味深い資料になっています。
今回は、上記の中から筆者が気になった企業2社の事例をピックアップしてご紹介します。
■国内事例
宝飾販売会社のサダマツは、海外に店舗を持たない企業がSNSによって現地にブランドを確立した好例といえます。
まず、中国版TwitterのWeibo(微博)に主力商品「Wish upon a star(星和縁)」のアカウントを開設。中国現地で人気の日本人俳優とアンバサダー契約を結び、ブランド認知度UPに成功しています。さらには、インバウンド客向けに中国版LINE微信(WeChat)で決済できるサービスにも対応。中国で一般的になっている決済手段の提供で、外国人総売り上げ高は前年比10 倍と、飛躍的な実績をあげています。
■海外事例
米国の格安航空会社(LCC)・ジェットブルー航空の取り組みはユニークです。
会社の信条である「ヒューマニティ(人間性)」をSNS活用の根本に据え、SNS上のつぶやきから「困っている顧客を見つけ、助ける」活動を展開しています。例えば、機内に忘れ物をした顧客が紛失状況をツイートすると、担当者が即座に返事を返すなど、迅速かつ必要なサポートを提供するように努めているとのこと。こうした企業姿勢がブランドの認知度と好感度の向上につながり、ファンの拡大に貢献しているのでしょう。
企業がSNSをビジネス活用することは当然のようになってきましたが、実際に成果をあげられている企業はまだごく一部のようです。
まずは上記のような成功事例の中から「これなら取り入れられるかも」と、感じたアイデアを施策に取り入れてみてはいかがでしょうか。
※1: 2016年ICT総研調査「ネット利用人口に対するSNS利用者の割合」より
※2: 企業のソーシャルメディア活用に関する調査報告書 http://www.meti.go.jp/press/2016/04/20160411002/20160411002.html