台湾の方は、他の訪日客と何が違うかというと、前回も述べましたが、日本に関する知識量です。
知識と言っても学問的なことでは無く、「今、日本で何が流行っているのか?」「今月、日本で公演しているメジャーなイベントは何か?」「インスタ映えする写真はどこで撮れるのか?」「今、スキー場の雪のコンディションはどうなのか?」といった、日本国内にいる我々とかなり近いレベルの知識を持っています。
その理由は、ケーブルテレビです。
台湾は世界有数のケーブルテレビ普及率を誇り、85%を超えた数値になっています。(日本では約50%。)
台湾のケーブルテレビには「第四台」と呼ばれる有料チャンネル群(こちらの普及率も約60%と高い。)があり、この内、「緯來日本台」「國興衛視台」というチャンネル群が、日本の番組(バラエティ・ドラマ・情報・ニュース・アニメなど幅広いジャンルで、なんと総数150チャンネル以上!地方局番組までカバー。)を中国繁体字幕付きで放送しています。
尚、日本発、官民ファンド支援を受けて運営されている「WAKUWAKU JAPAN」というチャンネルも台湾では見ることができます。
番組は、日本での放送後、1週間遅れくらいで中国繁体字幕放送されますので、ほぼリアルタイムで情報を得ることができます。
さらに、台湾のケーブルテレビ局オリジナルチャンネルの中に、実際に日本に行って取材する情報番組もあります。
緯來日本台の「日本學問大」という番組です。(2011年3月に放送開始)
Webサイト:http://japan.videoland.com.tw/channel/1103b/2016/
2018年1月5日記事で、2017年末NHK紅白歌合戦の安室奈美恵さんにかけて、特集記事が載っています。早い。。
余談ですが、台湾のテレビ事情は、あらゆる点で日本の感覚とずれています。
例えば、翌日に番号が変わってしまうチャンネル、番組オープニングが始まっているのに流れ続けるCM、番組表と全く異なる内容の放送、第一話と書いてあるのに中身が最終回など。。。
とにかくチャンネルが多いので、視聴率1%で大ヒット、5%でお化け番組です。
とはいえ、日本番組が放送開始されると、ヘビーローテーションで再放送されるだけではなく、こぞって他の局も再放送(?)するため、同番組累計視聴率という概念があり、これによってじわじわヒットすると言うことがよくあります。刷り込み効果もすごいです。
CMに関しては、特に日本企業が日本語のまま(日本で使っているCMそのまま)で差し込んでいます。これは面倒だからでは無く、「日本語=品質が高い」という現地の認識があるためです。尚、「日本(原装)進口」(訳:日本(版)直輸入)というマジックワードもあります。
一方、航空路線に関しては、LCCも成田・関西・沖縄へ就航し、航空券の価格は市価で往復1万円台前半という手軽さもあり、日本の流行を見て、「次の三連休に行こうか」くらいのノリで訪日してきます。
台湾人は、他の国からの旅行者と一段以上異なります。