台湾の方のテレビ視聴やSNSに関する特徴的な部分にフォーカスしてきましたので、今回はデジタルデバイスのやや俯瞰的な話をしたいと思います。
We Are Social「2017 Digital Yearbook: Digital Data for Every Country in the World」のデータから、アジア主要国・地域のデジタルデバイス接触時間をまとめてみました。
出典:We Are Social「2017 Digital Yearbook: Digital Data for Every Country in the World」
これは、日常生活の中で何時間そのデバイスに触れているかというデータで、PCとSmartphoneに関してはインターネット利用時間、TVは視聴時間です。回答者が厳格に認識できているかは不明ですが、ダウンロード済みのゲームや音楽に対する時間は除外されていると思われます。
日本はPCに4時間6分、Smartphoneに57分と、上のグラフの中では最短。一方TVは2時間15分と最長接触時間となっています。仕事の時間も含まれているはずですが、インターネット分野の端っこで仕事をさせていただいている私は、どうやらイレギュラーな存在のようです。
一方の台湾は、私的感覚からして「これは依存といっていい。むしろ社会問題になる水準なのでは?」という数値です。
PCとSmartphoneに1日10時間26分を費やしています。もはや、風景とか料理とか友人とかも、常にスマホ越しに見ているのでは無いかと心配になってきます。
それを裏付ける訳では無いですが、台湾で使われているスマートフォン販売台数シェアトップはSAMSUNGで、2位Apple、3位Sony、4位OPPOと、セルフィー用の高性能インカメラを武器にしたメーカー機種が売れています。
どこの国でもその傾向はありますが、やはり、SNSで発信することがスマートフォンにおいては非常に重要なようですので、台湾の方は、動画視聴についてもかなりの時間を費やしており、国民全体のSNSといっても良いFacebookよりもYouTubeの方が利用者数が多いという状況にあります。
SNSや動画サイトというと、「一部の娯楽的な要素の強い無料メディアだけが消費者の中心であり、その先のお金にならないのでは?」という疑問があるかもしれませんが、台湾に関してはそんなことはありません。Smartphoneユーザーの70%以上はWeb検索を日常的に利用しており、約40%はその先で製品やサービスを見て購入すべきかどうか検討するための情報を得ています。これは実に日本人の2倍以上の数値です。
台湾人の掌の中で消費される金額は、かなり高い水準にあるのではないでしょうか。
以上のようなことから、日本的な感覚でインターネットマーケティングを海外、少なくとも東アジア圏に展開するのは、かなり的を外す確率が高いということがおわかりになるでしょう。
グラフにある他の国についても、意外と思われる点もあるかもしれませんが、それはまた別の機会に解説したいと思います。