訪日台湾人について、これで3回目ですが、台湾の方は、本当に日本の文化風習や流行についてよく知り、取り込んでいます。
参照:1回目 訪日ビジネスを考える 訪日台湾人を知る (1) ~鍵は好奇心~
2回目 訪日ビジネスを考える 訪日台湾人を知る (2)~日本人より日本を知っているかも?~
何せ、ずいぶん前から街コンが流行っていて、若者の間では語尾に「ね」をつけるのが流行っているくらいですから。(日本人が使う軽い同意を示す語尾「ね」をそのまま使っています。「ありがとね。」という感じで「シェシェね」とか言っています。)
訪日外客の爆買いという事が一時期、連日のように日本のメディアでも取り上げられていましたが、その中心人物は中国人と台湾人です。ただし、この両者は多少背景が異なっています。
訪日台湾人のショッピングの背景には、「代購」(「代買」とも書き、代理購入のこと)があります。
ほぼ確実に、周りの人から買ってきてほしい物を頼まれています。
こう聞くと、せいぜい家族と親友へのお土産程度、お菓子か化粧品かなと思われるでしょうし、政府の統計データからもそう思われるでしょう。しかし、実態は規模が違います。中にはどう考えても他人に頼むものじゃないだろうというものもあります。。。
私の台湾にいる友人(日本人)は、年末年始に日本に一時帰国すると同僚に言ったところ、同僚、同僚の知人、同僚の知人の親、同僚の知人の親の(以下略)・・・などから代購(代理購入)をお願いされ、最大のものは、冷蔵庫だったそうです。もちろん、冷蔵庫も含めて大半断ったそうですが、どうやって持って帰らせるつもりなんでしょうね。
ちなみに台湾では、購入してもらったものに対して、代金に加えて、代行手数料を請求するのが友人間でも普通(だいたい買価の5%程度)です。そこはきっちりしているというのも、気質ですかね。当然ですが、職業として代購をしている方も多くいます。
では、何故このようなことになっているかというと、為替も一つの理由ですが、日本製品は台湾ではブランド品扱いで、日本の販売価格の20%~50%程度高い金額で販売されているからです。要するに、一人一人が輸入業者みたいなもので、見栄のためにお土産を買うのとは違って、廃れにくい購買行動原理があるのが台湾人訪日客です。
最後に、箇条書きに売れやすい物、売れにくい物をいくつか挙げてみます。
台湾の方に売れにくいもの
・置き時計、財布、アロマキャンドル、扇子、ハンカチ、石、靴、傘、などの中華圏で縁起が悪い発音や意味があるもの。(ただしプレゼントとしては売れないという意味です。)
・冷たい食べ物。代表格として、寿司の人気は他の国の訪日客と比べてやや低いです。
・調理家電、調理器具全般。既婚者の大半は、料理をせず外食をしているためです。
・奇数個入ったセット。諸説ありますが、数字に縁起があるという話もあり、偶数の方が好ましいらしく、特に6と8は縁起が良いそうです。ただし、4は縁起が悪いとか。験担ぎへの執着を利用した何かは売れますね。
台湾の方に売れやすいもの
・親世代向けや家族で使えて楽しめる商品。台湾にとって家族とは、恋人や親友よりも堅い絆で結ばれています。
・物ではないですが、(もし認可されるのであれば)カジノ。台湾人は勝負事が大好きな方が多く(実際、人口は日本の約5分の1にも関わらず、宝くじの売り上げは日本の2分の1以上あります)、日本にカジノができたら、台湾人が国別訪日客数ダントツ1位になるかもしれませんね。
・サブカルチャー物全般。ただし、若者向けです。
台湾の方に訴求力があるもの
・Made in Japan(日本原装進口)
・くまもん、ふなっしー、サンリオキャラクター。
・金城武さん。
・陽岱鋼さん、王貞治さんといった台湾籍の野球選手および日本人の有名な野球選手。