逆ピラミッドとはライティングスタイルの一つで、もっとも大切なことから書き始めるスタイルのことです。
読んでもらえる確率が最も高い「文の初め」に一番大切なことを書くのは、読む側にとってユーザビリティが高く、特に忙しい読者の多いウェブライティングには欠かせないスタイルとなっています。
しかし、この逆ピラミッドが世に誕生したアメリカ南北戦争時代は、読者のためではなく「書き手のため」のスタイルだったのです。
当時、最新技術であった電報が民間と軍事用の両方に使われ、民間では特にジャーナリストにより活用されました。
この時代の電報インフラはまだまだ脆弱で、戦争中と言うこともありよく断線しました。
そのため、前線にいたジャーナリストが電報を打っている途中に断線してもいいよう、最も大切な情報を真っ先に送る、この逆ピラミッド構造のライティングスタイルを編み出したのです。
その後、インフラは整備され、テキストの送信方法も発展し、途中で断線するリスクはほとんど無くなりましたが、そうなると今度は市民に届く情報量も急速に増加し、すべての記事を最後まで読む人が減ったため、大切な情報を読んでもらえる逆ピラミッドの重要性が高まりました。
今では無尽蔵の書庫であるインターネットがあり、文章の初めどころかタイトルだけしか読まない人すら増えています。
そんな中、考え抜いて書いた会社紹介文章をせっかく読んでくれる人がいても、長文だと読み飛ばされるのはまだいいほうで、悪いと全く読んでもらえない運命にあるのです。
ですから、逆ピラミッドを活用し、忙しい読者の目に触れる部分はすべて重要なコンテンツにする必要があるのです。
もちろん、すべての文章をこのスタイルで書く必要はありませんが、ビジネス文書など端的に意思疎通することを目的とする文書ではどれでも重宝されるスタイルです。ぜひ活用してみて下さい。