CJ Column

コラム

コミュニケーションの断絶

 

コミュニケーションがうまくいなかったという経験は誰もがお持ちではないでしょうか。日本在住の外国人ならば経験したことのある事例を今回はご紹介します。彼らは思いもしないようなコミュニケーションの失敗の数々を誰よりも経験しているようです。

 

ひとつの言葉が引き起こす違い

ある日本人がアメリカ人に興味深い話をしました。そして「私が話したとは誰にも言わないでね」と言いました。私はその言葉から、その興味深い話は他人に話してもよいが誰が言ったかは言わないで欲しいと理解しました。数日後、そのアメリカ人はそのことを話した日本人がいるところで、その話をし始めました。その人も喜んでくれると思いつつ。しかし、その日本人は、「私が話したことは誰にも言わないでね」と言いたかったのでした。その日本人は猛烈に怒っていたのは言うまでもありません。。

日本人上司がアメリカ人従業員に言いました。「マネージャーと話すことを考えてください」。アメリカ人は「OK」と答えました。そしてマネージャーと話すことを考えましたが、結局話さないことにしました。日本人上司は後日、アメリカ人が嘘をついたかのようにほのめかしていました。なぜならば、彼の言葉は丁寧な命令を示唆していたのです。アメリカ人は彼の言葉を文字通り受け取り、単なる推奨と考えたのでした。

 

フィードバックのフラストレーション

仕事をした後でフィードバックがないということはフラストレーションだと、アメリカ人が日本人に言いました。日本人は、アメリカ人に合意するのではなく、聞いているよという仕草で何度も頷いていました。ある仕事を一緒に済ませた後、アメリカ人は日本人にフィードバックはあったかと何度か聞きました。しかしフィードバックは来ていませんでした。
個人的見解や否定的なフィードバックがアメリカ人の気持ちを損ねてしまうことについて日本人は快く思わないようです。しかし、アメリカ人は正直なフィードバックは丁寧なものであると一般的に受け取ります。その個人的見解というものは外国ではごく普通のことなのです。否定的なフィードバックは改善の方向を示してくれる意味で、否定的なフィードバックを受けることはよいことだと考えます。

 

欧米の格言

「フィリップは、Yesと言わなかった、しかしNoとも言わなかった。彼は自分が彼女に怒られないようにするために自分の生活が崩壊することを厭わないでいるというわけだ。」― ネル・フロイデンベルガー

 

コミュニケーションの欠如

ある日本人従業員が静かになり責任回避を始めました。モチベーションの問題でその従業員が責められて数か月後、マネージャーは何が問題だったのか彼に聞きました。その従業員は、所属部署で使われだした英語のメールが分からなかったのだと説明しました。その後、メールは翻訳されることでパフォーマンスの問題は解決しました。

ある会社の社長が、モチベーションの問題を解決するためパフォーマンスの一番低い部署のマネージャーが異動になりました。従業員との一対一の面談で、問題はモチベーションではなくディレクションの欠如にあると、赴任したマネージャーは発見しました。彼は従業員それぞれの目標設定と達成をサポートすることで、5か月で部署をパフォーマンスの高い組織へと変革しました。

新会社の役員は社長に対し、ここ一年全ては問題なく進行していると確約してきました。すると、マネージャーが突然退職し、社長に役員が深刻な問題を隠していることを告げました。社長は役員を集め、真実を洗い出し、戦略を根本的に変更することで会社を救いました。

 

欧米の格言

「真正面から向き合うことなくして前進はありえない。」― クリストファー・ヒッチェンズ

J.M  アメリカ人コピーライター

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