これってだめなの?! 〜日本人の親切心が仇となるUI設計〜
日本人の「おもてなし」の心。それは世界にも誇れるすばらしいものだと思います。
Webサイトを制作するときもに、「より親切に使いやすく」と情報や選択肢を多くすることがあると思います。
ところがその親切心が外国人を混乱させてしまうこともあるようです。
外国人(主に欧米系の外国人)に向けた検索をメインのサービスとしたサイトのデザインをしていた時のこと、
どのページからも検索をできた方がよりユーザーフレンドリーだろうと全ページ共通のヘッダーに検索窓を設置。
そのためメインの検索ページではヘッダーとメインの検索窓と2つの検索窓があることになりました。
日本人スタッフはヘッダーは全ページ共通であることは前提であり検索窓が2つになることをあまり気にせず、
むしろちょっと便利で良いのではないかと思っていました。
ところがネイティブスタッフからこのページはなぜ検索窓が2つあるのか?それぞれ違う検索ができるのか?との意見が、、、
同じ画面上に同じ機能のものが2つあることでそこに違いがあるのではないかとユーザーが混乱してしまうと言うのです。
外国人がメインターゲットであることを踏まえて検討した結果、メインの検索ページではヘッダーの検索窓は非表示にすることにしました。
情報量が多いことが良しとされている日本人の感覚では、同じ機能が重複してしまっていることを見逃してしまいがちですが、
目的をハッキリさせ、シンプルにすることに重きを置く外国人には、とても重要な事と感じるようです。
そのため外国人に向けたUI設計をする場合は一つの画面の中の情報整理がとても大切になってきます。
こういった感覚の違いは、日本人にとっては経験やノウハウとしてもなかなか蓄積できません。
ネイティブの意見をうまく取り入れることで最良のUI設計を目指しましょう。
K.K アートディレクター