Webディレクターがコーディネータ・翻訳者に伝えなければならないこと
私は比較的最近、シトラスジャパンにやって参りました。
WEBディレクター歴は十数年という、気付けばそれなりのベテランとなっていますが、
今まで「多言語Webサイト制作」を手掛けたことはほとんどありませんでした。
そんな私のコラム初回では、多言語サイトを実際にやってみて初めて分かった、
”Webディレクターの気づき”を色々お伝えしていきたいと思います。
クライアントとのやりとりを何度も繰り返し、やっとFixした日本語原稿を意気揚々とコーディネータにまわしたら、
ダメ出しや質問攻めに遭い、答えに一瞬詰まることが度々ありました。
毎日のようにこの原稿を読み返して、内容を熟知していたはずなのに、です。
その一例をご紹介します。
「”詳しくはこちら“の先には何が書いてあるのですか?」とコーディネーターからの質問。
その原稿には、外部リンクを貼った、「詳しくはこちら」という文言がありました。
私としては、“詳しくはこちら”という言葉だけの意味に翻訳をしてくれれば良いと思ったので、
当社コーディネータにリンク先の内容を詳しく聞かれ、ちょっと戸惑いました。更に言うと、「そこまで伝える必要があるのかな?」とも...
コーディネータによくよく話を聞いてみると、それが必要であることが良くわかりました。
そのリンク先が“サービスの詳細を説明しているページ”だとして、
例えばもっとお得な情報が書いてあるのか、リスクなどを含めた注意点が書いてあるのか、購入のためのフォームページなのか等で
記載する文言を変えた方が良い可能性があるから、と。
ふーむ、なるほど。
コーディネータや翻訳者は、Webディレクターの私が思っている以上に、深く考えていました。
確かに彼らは「ライティング」にしても「翻訳」にしても、パワーポイントやワードファイルに記載されている単語をそのまま訳した結果を並べているというわけではありません。「このサイト(ページ)で“何を伝えたいのか」といったことを常に考えながら原稿を熟読し、頭の中でストーリーを組立てながら翻訳作業をしています。
それには、私たちWebディレクターが彼らにその判断材料を渡さないといけないのですから、
サイトや原稿について熟知する必要があるのは当然のことであります。
どうやら、シトラスジャパンではWebディレクターとランゲージグループが強力にタッグを組んだ体制をとっているから、
良いサイトづくりができているんですね。
私はこの気付き以後、原稿に書かれた”文字”だけでなく、その”背景”やクライアントの”想い”なども出来る限り調べた上で、
ランゲージグループとの多言語ミーティングに臨むようにしています!
次回コラムもお楽しみに。