昨今では、より洗練された見た目にするために、Webフォントを使用することが一般的になっています。しかし、日本語、中国語、韓国語などの2バイトフォントは、単純に文字が多いことからWebフォントの種類が少ない、また、普及度合いが低い現状があります。
アルファベットは、26文字しかありません。大文字、小文字、数字、記号を含めても100文字程度です。
一方、日本語にはひらがな、カタカナ、漢字、記号など、およそ7000文字以上も含まれています。
2バイトWebフォントは、収録しなければならない文字数が多いため、作成者が少なく、優良なものも多いという当然な理由により、Webフォントの選択肢は狭くなっています。一例として、「Google Fonts」で比較すると、英語Webフォントが832個あるのに対し、日本語Webフォントは9個しかありません(2017年8月時点)。
とはいえ、ヒラギノなど、WindowsやAndroidでは標準出力として用意されていないメジャーフォントもあります。
これを画像(画像化した文字)で実現するにしても、レスポンシブwebデザインが一般的になってきている現状で、様々な画面サイズで出力する際に画質が気になるなどの課題があります。また、改訂のたびにデザイナーの手を借りなければならないのも画像化するデメリットとして挙げられます。
デザイン上、字体のアレンジは読みやすさを演出し、滞在時間を伸ばすことができるなどメリットが多くありますから、Webフォントを利用する積極的な理由はあるでしょう。
Webフォントを導入する際に、一点だけ気を付けるべきはWebフォントのファイルサイズです。
例えば、英語フォントの「Noto Serif」は0.8MBですが、日本語フォント「Noto Serif CJK JP」はなんと124MBとなっており、その差は150倍以上です。
このような大きいサイズのファイルをそのまま読み込ませて使用するのは、Webサイトのパフォーマンス低下に直結するため、避けるべきです。
現実的な使用方法としては、漢字をJIS第一水準のみにするなど、絞って読み込ませることが必要です。これをサブセット化といいます。
つまり、サブセット化されたWebフォントを選べば、比較的導入の障壁を下げることができます。
以上のようなページ出力のパフォーマンス、メンテナンス性、表現力向上を考慮したWebフォントの導入を一度検討されてみてはいかがでしょうか。