海外向けのWebサイトのローカライズ。現地語で書いてあればいいわけではありません。
海外向けのWebサイトを立ち上げる際に、まずは英語や中国語といった、その国で読める言葉を選択し、その国に合いそうなデザインテイストを考えるかと思いますが、現地で有用なWebサイトになるローカライズするという意味では、それだけでは十分ではありません。
今回は、Webサイトをローカライズする上で、言語とデザインテイスト以外で最初に考えるべきことをご紹介したいと思います。
■価格表記
現地通貨にするという意味だけではなく、現地で販売する際に適用される国際間の税額(関税も含む)や配送コストの正確な算入と明記がないと、日本人では考えられないレベルのキャンセルやクレームを受けることが往々にしてあります。
法的に問題の無い表示をする基準以上の配慮、例えば個別商品ごとに正しい総額を記載するといったことも必要です。
■UI
海外Webサイトをしっかり見ていると、グローバルナビゲーションの構成、挙動、数量や序列だけではなく、ページ左右に配置されるローカルナビゲーション、商品個別に対してポップアップするナビゲーションなど、日本では見慣れないUI構成を持つ様々な実例を観ることができると思います。
特に、中国や韓国では、如何にマウス移動する距離を小さくするのかといったコンセプトでUI構成を検討しているWebサイトが増えてきており、それらに慣れたユーザーがあなたのWebサイトを使った際に、使いにくいと感じる懸念が生じます。
■顧客サポート
言語や時差の理由から、この部分はどうしても対応が薄くなりがちです。中国のように、問い合わせは即応を求めるユーザー傾向が強い国などでWebサイトを立ち上げる際には、想定される質問を十分に検討し、FAQやチャットボットなどを作り込んで、可能な限りユーザーの疑問に即応できる範囲を広げておくことも重要です。
■決済方法
実際に海外の方向けにECサイトを運用した方はご存じかと思いますが、クレジットカード決済はエラー率が日本国内のものに比べて高い傾向があります。
決済エラーで面倒になって購入を止めるユーザーは結構な率で発生しますので、現地で実際の利用率が高く、安定した決済手段を調査し、導入することが肝要です。
概ね以上となりますが、もちろん、Webサイト以前の話として、法律/流通といったもっと大きな検討点もありますし、現地語にするといっても、客層に合わせた言葉のチョイスも含め、本当に読みやすい文章品質になっているかといった、きめ細やかな配慮も必要ですね。