CJ Column

コラム

多言語版の制作の基本~その6 日本語は主語がなくても大丈夫~

前回のコラムで、次の会話を例にしました。

A:「昨日は海に行ったよ」
B:「昨日はレストランにも行ったよ」
C:「いい休暇が過ごせてよかったね。」

今回も、Google翻訳を使ってみたところ、次のような英語になりました。

A: "I went to the sea yesterday."
B: "I went to a restaurant yesterday"
C: "I'm glad I had a good vacation."

日本語はコンテキストに敏感な言語なのかもしれません。
「昨日はレストランにも行ったよ」と「昨日はレストランに行ったよ」は、日本人的にはニュアンスの違いがありますよね。「レストランにも」と聞くと、他にも行ったんだと想像します。
Google翻訳の結果は、この2者は同じ英語"I went to a restaurant yesterday"でした。
Google翻訳という機械翻訳が細かな点を翻訳できていない、という事を指摘したいのではありません。コンテキストによっては、違う意味の英語になって伝わるということです。もし、日本語の隠れたコンテキストが以下のようなものであったら、どうでしょうか?

A:「(わたしたち」昨日は海に行ったよ」
B:「(そうそう、私たち)昨日はレストランにも行ったよ」
C:「(あなたたち)いい休暇が過ごせてよかったね。」

きっと、日本人にとっての自然な会話の流れは、このような感じではないでしょうか。
すると、主語が私(I)と解釈した英語は、会話文ではおかしくなってしまいます。日本語の言葉に隠された、意味の流れや関係性へ思いを巡らせることができないと、1文1文が宣言のような翻訳になってしまいます。

こうしたコンテキストを汲んだ文章をGoogle翻訳で翻訳してみました。
最初よりは、ずっと会話らしい英語になってきました。

A: "We went to the sea yesterday."
B: "Yes, we went to a restaurant yesterday."
C: "I'm glad you had a good vacation."

外国人にとって、日本語は難しいとよく聞きます。
確かに、隠されたコンテキストが汲めないと違う意味に伝わってしまうようです。正面切ってぶつけるのではない、日本語の奥ゆかしさという優しさの面でもありますが、翻訳では相手言語を思いやって補うことも必要そうです。

Y.Y  コーディネーター

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