CJコラム

With? After? どちら?どころではなく、NOW 新型コロナウィルスの影響

いやー。。
当社の事業は、海外向けが多いので、ここ数ヶ月は、マイナスの影響を受けています。それに、広告物はある意味、不要不急のものですし、しばらくは今まで以上に創意工夫、今やれることに集中して頑張っていかなければなりません。
当社よりもよっぽど大変な状況にある方々もいると思いますが、とにかく前を向いて、笑顔になれることを探して進むしかないですね。
仕事柄、ある程度先を予測しなければいけないので、大局的な数字も見るのですが、これを見てしまうと、表題の通り、今なんとかしないと!と本当に思うわけです。

まず、インバウンドについてですが、JNTOの発表によると、2020年4月の訪日外客数は 2,900人、前年同月比-99.9%という結果でした。(2020年3月は、193,700人、前年同月比-93%。)統計調査開始の1964年(昭和39年)以降で最小とのことです。

 

次に、貿易面を見てみますと、財務省より発表された2020年4月月間の貿易統計資料を見ると、輸出金額が前年比-21.9%と大幅な減少、輸入金額も同-7.2%と減少、貿易収支は-9,304億円の赤字(コンセンサスを大きく下回るが、レンジ内。)となっています。


輸出においては、自動車部品を含む機械類の減少が大きく、輸入金額を繊維、医薬品が押し上げています。尚、同じ医薬品など化学製品は、輸出金額も増えています。
総じて、直接的に新型コロナウィルスに対峙する品目の需要以外は、麻痺しているといっていいのではないでしょうか。輸出だけではなく、輸入も減少しているというのは、かなり危ない印象です。これら数字には、海外渡航制限とかの影響ではなく、端的に、国内消費自体の縮小(これくらいの幅になると何かしらの対策で喚起が可能である需要減ではなく、外的な刺激では浮揚しにくい純粋な消費減といえそうです。)が大きく表れているわけですし、緊急事態宣言後の状況は、さらに数ヶ月先に貿易統計に表れてくると考えられます。

そして、世界経済の基本方針ですが、2020年3月27日時点、G20サミットにおいて、OECDの Angel Gurría 事務総長は、「ロックダウンが、主要国のGDPの最大3分の1のセクター(産業分野)に直接影響し、年間のGDP成長率(声明文に付記はありませんが、おそらく実質GDP)は2%減少します。尚、観光セクターだけでも70%もの減少に直面しています。また、企業の倒産などにより、生産力は15%以上減少する懸念があります。」と声明を発表しています。この当時の試算の基礎となっている状況は、現時点において概ね合致しているため、この声明は支持されるものかと思われます。

ただ、世界経済や国内経済を動かす地位にいない限りは(当然私もそんな地位にいません)、年間のGDP成長率-2%と聞くと大したことなさそうですし、リーマンショックがあった2009年の実質GDP成長率は-5.4%で、そのときもそんなに影響あったかな?今は、その程度じゃない数十%以上のマイナスでは?と思うかもしれません。
しかし、この数字が示している非常に残念なことは、氷河期世代が再誕したと言われているに等しいです。さらに、様々なシンクタンクや専門家の論調、メディアでは、リーマンショックを超えるなどと言っていますので、氷河期世代どころではないかもしれません。
尚、国会などで問題視された、GoToキャンペーンの予算ですが、これは上記のOECD事務局長声明の中に明記された方針に従って盛り込まれたものと思われ、また、国民から見たらなんでこんな予算を?と思うようなものも、多くはOECD事務局長声明に従っている様に見えます。(とはいえ、いまいち納得できないという国民感情は当然ではありますが。)

 

全てのマクロ経済数値が示すのは、今のやり方の延長線上にあることをやっている程度では、状況は回復しなさそうであるということと、もしその程度にとどまるのであれば、1年間は今の状況でも潰れない体力が必要ということかと読みました。
ただ、論理は抜きにして過去の不況と言われた状況を鑑みると、日本人に重要なのは、いつまでも自粛消費マインドで不要なほど守りに入るという行動を解消することが、何よりも重要なのかなとも思います。

 

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