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訪日ビジネスを考える~新型コロナウィルスの経済への影響と展望(2)~

2020年2月25日付け「訪日ビジネスを考える 新型コロナウィルスの経済への影響と展望」というコラムに対して、3月の状況を踏まえた続きです。2020年1月は、日本でもいわゆる春節商戦をほぼ全うしましたが、その後2月に入り、現在まで、ご存じの通り世界は新型コロナウィルスの猛威にさらされ続けており、その影響は甚大です。

 

2020年1月の訪日外客数は、推計266万1千人と前年同月比-1.1% でしたが、
2月は、108万5千人強と、前年同月比 -58.3% となっています。
今現在となっては、正直、これでも多かったと感じます。まだ、公的な数値は発表されていませんが、国際的な移動規制が本格化された3月の数字は、もはや統計の意味を成さないことでしょう。

 

国際物流においても影響は大きく、ほとんどの国間で遅延が発生しており、一部の国では郵便物となどの小口配送物の処理を停止しています。しかしながら、越境ECは活況を呈しており、前年同月比で 200%、300% という数字をたたき出しています。このあたりは、Google で「越境EC 新型コロナウィルス影響」と検索すれば山ほど出てきます。JETRO のビジネス短信にも載っているほどですから、提灯記事というわけでもないでしょう。

日本国内でも ”巣ごもり消費” などと言われていますが、これが、越境しても同じであるという状況です。

 

インバウンドをテーマとしていますが、少なくとも、訪日外客は2020年6月まではビジネスと言える規模になることはないと目されており、その見通しも甘い可能性が十分にあります。
単純に新型コロナウィルスが世界的に収束したとしても、自国産業、もっといえば、自分自身の身近な生活の立て直しに、さらに多くの時間が必要となるでしょう。

前回のコラムで述べましたが、改めて、前回よりも多少断定的な意図を含み申し上げます。
インバウンド消費を主としていた販売戦略は、アウトバウンドに舵を切るべきです。

 

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