CJコラム

訪日ビジネスを考える 訪日タイ人を知る (5) ~ タイのギフト風習について~

旅行と言えば、お土産。つまりは、ギフトです。
タイの方は、どういう時にどんなギフトを贈っているのかを知れば、日本でタイ人が何を好んで買うのかを知ることができます。
今回は、タイ人のギフト風習について、紐解いてみたいと思います、

 

タイには、ソンクラーンという正月期間がありますが、正月・旧正月・ソンクラーンと、四半期以上の間のギフト商戦期間があります。
広くとれば、11月中旬頃から4月中旬。
ピーマイ(意味は「新年」日本で言う年末年始セール)と呼ばれる期間になります。
年末年始セールがやたら長いのですが、タイ人の人付き合いにおいて、ギフトは重要であり、誕生日や記念日などを忘れようならば、友人を失いかねません。

つまり、日本旅行において、お土産を選ぶことは、価値の高い目的であり、色々なこだわりがあるので、日本ぽいものや、何かどこかで聞いた人気の物を置いておけばいいという考え方では、商機を逃しているかもしれません。

まず、タイ人は、色にこだわりがあります。
男性向けは黄色、女性向けは水色が定番であり、さらに、曜日に色が紐付けられていて、誕生日には、誕生曜日に紐付いた色のギフトが定番です。生まれた曜日=ラッキーカラーという体なので、同じ商品でも誕生曜日色を取りそろえると、どれかを買ってもらえることでしょう。また、タイでは王家の権威が非常に高いため、国王・王妃が身につける物は人気が出ます。先の男性女性の定番色は、国王・王妃の誕生曜日カラーにちなんでいたりしますので、こうしたことにもアンテナを張っておくと良いでしょう。


人気の物品で言えば、東南アジア全域で言えますが、基礎化粧品、健康食品といった、控えめな美、日常的な美に対する興味が、女性だけではなく、男性でも高いです。関連して、入浴グッズや石けんなども人気です。また、最近では、口紅やアイライナーなど、日本にしか無い色や形状で我々日本人には気づきにくい理由による人気商品もあります。

他にも、日本酒と日本産ウイスキーは、昨今、タイ国内で贈答用として人気が高い商品であり、日本旅行のお土産としても当然選ばれています。まだタイ語で案内できるツアーが多くはないのですが、今後、酒蔵ツアーなどは増えていくのではないでしょうか。


尚、“日本ぽいもの”はあまり選ばれません。
タイの方は、実用的であったり、自分の生活スタイルと調和する物を優先的に選ぶためです。
特に、伝統工芸品のようなものは選ばれない傾向がありますので、ご注意を。

一方で、もはや耳タコなクールジャパンの代表格である、アニメやキャラクターといった“日本ぽいもの“は、タイでも人気です。タイでのバレンタインデーのギフトの定番は、バラとクマのぬいぐるみなので、2月はリラックマやくまモンの繁忙期でもあります。

また、実はタイの方は、中国の方以上にお金の力は絶対です。
マネーパワー=地位や権力です。また、自慢することが大好きです。
ですので、値段が高いものや、見た目が豪華な物を手に取りやすい傾向があり、贈答品はラッピングの豪華さが、中身の価値を大きく嵩上げします。
ラッピングを売りにすると、売上が伸びますので、是非。

 

ちなみに、お金持ちがエライとなると、横柄な客と思われそうですが、タイではお客様は神様という文化はなく、むしろ、お店の方にお願いしないと物を売ってくれない様な日常ですので、お客様としては素晴らしいかと思います。
是非、タイ人の方に喜んでいただけるような品揃えとサービスで売上アップを目指してみてください。

 

最新5件の記事