以前、その英語版Webサイト本当にグローバルなの?でも触れましたとおり、いくら英文でサイトを開設したとしても、サーバの設置場所から閲覧者までの距離が遠いと、読込が遅くて、結局見てもらえないといったことが起こります。
これを避けるために考えられるのは、「超高速回線を用意!」か「サーバを各国に置く!」でしょうか。
前者の超高速回線は解決策にはなりません。
超高速なのは、あくまでもそのサーバ会社の管理している範囲内の話ですので、遠い外国まで行く頃には、いくらでも途中で細い回線に当たることになるかもしれません。
後者のサーバを各国に置くというのは、昔からグローバルカンパニーが行っていた方法で、今でも主要な解決策の一つとして採られている方法です。これならば、ある程度世界中にいる閲覧者からサーバの距離を縮めて、読込スピードを早くできます。ただ、この方法は、コストと手間が大きくなります。例えば、西欧をカバーするため、1台のサーバをフランスに設置したとしましょう。そして、アメリカにも北米カバー用に1台のサーバを用意するとします。そうなると、まず、サーバの保守管理が2倍になります。現地立ち入り対応は、世界中を飛び回ることになります。時差もありますから、現地サーバ管理会社とのコミュニケーションはタイムラグが発生するでしょう。さらに、コンテンツのアップロードに接続時間がかかり、英語サイトは西欧と北米、でも、フランス語は西欧だけなど、コンテンツの更新管理が非常に複雑なものになっていきます。
こうしたことから、英語サイトを作るまでは案外多い事例ですが、インフラまでやるとなると…二の足を踏むことになるでしょう。
上記の事を解決する方法として、「クラウドサーバ」??
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いえ、違います。CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)です。
確かに、クラウドサーバ提供会社は、世界中にサーバ・ネットワークインフラを有していますので、CDNサービスは展開しやすいので混同されがちですが、CDNとクラウドサーバは異なるサービスです。
CDN自体は、インターネット黎明期からある考え方で、元祖は現在もメジャーなAkamaiでです。
CDNサービスを利用すると、あなたのサーバにおいてあるコンテンツを、そのCDNサービスが有している世界各国のサーバに勝手にコピー(キャッシュ)してばらまいておいてくれます。そして、閲覧者は、自分の最寄りに置かれたコピーにアクセスするので、スピードが速いというものです。
一言にCDNといっても、そのネットワーク網やコピーのされ方やタイミングなど特徴は様々あるのですが、グローバルサイトを比較的安価に運用する上では、CDNサービスを利用しない手は無いと思います。是非、インフラまで視野に入れて、世界で戦えるWebサイトを作りましょう。