CJコラム

訪日ビジネスを考える~その英語版Webサイト本当にグローバルなの?~

訪日ビジネスを考える際、日本に来てから使ってもらうだけではなく、日本に来る前に知っておいてもらうことも意識しなければなりません。『英語、中国語、韓国語のWebサイトも作ってばっちり!』と思っているかもしれませんが、国境を越える必要があるのは言語だけではありません。

インターネットに繋がっていると、ほしい情報はGoogleやSNSで検索して、いくらでも簡単に素早くアクセスできる、と無意識に錯覚していませんか?皆さんが見ている、海外のWebサイトは、それこそインターネットに大きな投資を行っているメジャーなポータルやSNSではないでしょうか?個別のお店やそれほど大規模ではない企業のWebサイトを見ていますでしょうか?
多くのWebサイトは、1つのサーバに設置されていて、そのサーバは「世界中のどこかに物理的に存在」していて、回線でインターネットに繋がっています。つまり、“距離”が存在しているという当たり前の事実があります。その距離はWebサイトの表示にも影響を与えます。例えば、以下の図のようになります。

例えば、当社のWebサイトTOPページは、日本国内からアクセスすれば、応答は瞬時で、読込完了まで概ね2秒程度です。これは当社のサーバが日本国内に設置されているためです。これが、アメリカからアクセスすると、応答に6秒+表示に2秒の計8秒、ヨーロッパでは16秒と、距離が遠くなるにつれて表示までの時間が長くなっていきます。
さらに、特殊なのは中国で、中国は国内外を跨ぐ通信については、国レベルのファイアーウォールを跨ぐ必要があり、この部分が距離以上に時間を要しますし、状況や条件によってはアクセスすることができない可能性さえあります。

 

これを解消するには、CDNなどといった、世界中に自分のWebサイトのコピーを設置してアクセスの距離を常に最短にすることや、英語版Webサイトはアメリカにサーバを置いてそこに設置する、現地の大手のポータルサイトに自社のコンテンツを載せるなどインフラレベルでの対応が必要になります。これらの本当の意味でのグローバルなWebサイトを持つのは、昔(といっても5~10年前)より格段に簡単に、安くなっていますので、情報収集や検討をする敷居が低くなってきています。
ちなみに、一般的なレンタルサーバを利用されている方は、そのレンタルサーバが海外からのアクセスを遮断する設定になっていることもありますので、そうした点も予めチェックしておく必要があります。

 

また、一つの数字として、Google曰く、スマートフォンユーザーはページの読み込みに3秒以上かかると53%が離脱するというレポートを発表していたりもしますので、読込完了までの早さは、常に意識する必要があるでしょう。インフラだけではなく、訪日後、多くの外国人が回線スピードが快適とは言えない日本のフリーWi-Fiで表示させることを考えて、果たして今のスマートフォン版Webサイトが良いのかどうなのかも考える必要があります。

 

どこの国の方も、海外渡航の前には、2~3週間程度現地の情報収集に費やす期間を持ちます。
その時にページが表示されなくてイライラするなんてことがあれば、その方々は、おそらくあなたのサービスや商品を利用することなく、日本を満喫して帰国することになってしまうのではないでしょうか?

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