訪日外国人とレンタカー事情。
前回は、国内の交通標識やサインボードが訪日外国人にも判りやすくなっていることを取り上げました。
今回は、日本の交通網を利用している訪日外国人でも、交通標識に接することになるレンタカーの利用事情についてまとめてみます。
急増する訪日外国人のレンタカー利用。
観光庁の調査によると、訪日外国人のレンタカー利用率は12%で、訪日回数に応じて増加し、1回目の訪日では7%。6~10回目になると21%になります。また地域によっても異なり、特に沖縄では利用率が61%にものぼり、1回目の訪日でも56%が利用しています。
タクシーやバス、鉄道など他の交通機関に比べて圧倒的に高い数値となっています。
※平成31年観光庁「「道の駅」のインバウンド対応状況の現状と課題」より。
リピーターがレンタカーを利用しているようですね。
都市部の主な観光地は来訪済みで、地方のコアな観光スポットを訪れたい傾向が強いと考えられそうです。
訪日外国人のレンタカー利用で地方のインバウンド
需要が増加。
リピーターの訪日外国人は、大都市の観光は既に体験済みで、日本の魅力をもっと知りたくて、車移動で近隣の地方へと足を伸ばす観光客は必然と増えます。電車やバスでは行きにくい地域でも楽なので、行動範囲が広がり地方の活性化につながります。
訪日外国人のレンタカー利用の問題点
こうしたレンタカー需要の増加によって、インバウンド需要が広がることは大きなメリットですが、デメリットも出ています。
一つは改善策が施されている、正しい外国語表記の交通標識の不足です。都市部では大幅に改善されてきていますが、地方ではまだまだ圧倒的に少ないのが現状です。
また訪日外国人ドライバーにとっては高速道路などの発達した交通網が、逆に複雑で難しく感じるようです。
増える訪日外国人のレンタカー事故
こうした状況の中、訪日外国人のレンタカー利用による交通事故が増加しています。
平成24年には、19件だった訪日外国人のレンタカー利用による死傷事故が、平成28年には、81件と急増してしまっています。
※国土交通省資料より
そもそもの不慣れな左側通行も含め、課題は多くあります。
安全なレンタカー利用の確立のために官民一体となった対策が急務となっています。
交通事故を防ぐために。
訪日外国人ドライバーの事故防止策として、コウソクインタチェンジや「道の駅」に、多言語に対応できるデバイスやスタッフの配置をしたり、多言語の日本の交通マナーマニュアルを作成し、配布するなどの対策が取られています。
訪日外国人ドライバーの安全な自動車利用が、彼らの訪日満足度向上にもつながり、さらなるインバウンド需要の拡大にもつながります。
いかがでしたか?
当たり前のことを当たり前に。基本ですが大切なことです。