CJコラム

世界のキャッシュレス事情あれこれ。

日々の暮らしの中で、急激にスマホ決済やQRコードによるキャッシュレスサービスが広がっていますね。
皆さんの中にも、携帯会社やコンビニ会社などの決済サービスを利用している方も多いと思います。
経済産業省では、この4月に「「キャッシュレス・ビジョン」「クレジットカードデータ利用に係るAPIガイドライン」を策定し、国としてもキャッシュレスサービスの推進を進めていく事を明確にしています。

このキャッシュレスサービス、日本での普及はまだまだこれからですが、世界中を見ると広く普及している国もあります。
今回は、そんな各国のキャッシュレス事情を簡単にご紹介いたします。

韓国


前述の経済産業省の「キャッシュレス・ビジョン」によると、韓国ではキャッシュレス決済比率は 89.1%に達するなど『キャッシュレス先進国』となっています。これは主にクレジットカードによるもので、政府によるクレジットカード利用促進策をベースに国を挙げての普及率の高さとなっています。

 

中国


中国では、現金の安全性(偽札問題)、透明性(脱税問題)、コスト(印刷・流通コスト)に関する課題があります。また、1990 年代まで決済システムやルールが統一されておらず、これらを刷新することを目的として、キャッシュレス化の普及の実現を果たしてきました。「Alipay(支付宝)」と「Wechat Pay(微信支付)」が代表的なものです。こうした消費者の生活に深く浸透した「生活アプリ」の誕生がキャッシュレスを後押ししています。

 

シンガポール


シンガポールでは、政府がQRコード統一規格「SGQR」を導入し、2025年までに「小切手の使用ゼロ」を目指し、キャッシュレス化推進の政策を打ち出しています。この規格統一により、電子決済の拡大が進むと推測されます。

 

スウェーデン


スウェーデンでは、キャッシュレスは1980 年代後半に発生したバブル経済が、 1990 年代初頭に崩壊し、金融危機に陥ったことから、金融機関を中心に国家を挙げて生産性向上を目指し、キャッシュレス化を推進しました。また人手不足や冬の現金輸送が困難なこと、金融機関などでの現金の強盗が多いことも要因の一つです。
取り組みとしては、小切手からデビットカードへの移行、公共交通機関での現金取扱いの停止、現金を取り扱わない銀行の設置などが挙げられます。さらに2012年には、個人送金サービス「Swish」の提供が開始され、スウェーデン全体人口の60%以上が使用しています。

 

以上、キャッシュレス化の進んでいる代表的な国の事例をいくつか挙げてみました。
キャッシュレス化に至る要因は各国様々ですが、国と金融とが連携し、政策として推し進めているようです。
日本ではまだ、企業や各団体が個別にキャッシュレス事業に取り組んでいるような状況で、各小売店舗の整備など、キャッシュレスシステムの導入がなかなか進まない事態になっているようです。
しかしQRコードの規格統一など、何かしらの施策の導入で一気にキャッシュレス化が進むかもしれません。そこには新しいビジネスのチャンスがある事でしょう。

 

参考文献
経済産業省「キャッシュレス・ビジョン

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