翻訳会社アレこれ~Vol.17 見積り単価の成り立ちその①~
翻訳の単価の設定については、多くの質問や問い合わせがあります。
近年多くの翻訳会社が採用しているのが、原稿量から算出する方式で「日本語1文字=○円」
という設定の仕方です。業界の相場で言うとだいたい英語への翻訳で15~25字/円くらいだと認識しています。
日本語1文字=○円とすると、ユーザー(依頼者)からすると、明朗会計で分かりやすく、受け入れやすいのではないでしょうか。
いくつかの会社から「あいみつ」で見積もりを取る場合も横並びで比較しやすいメリットがあります。
個人一般のお客様からも依頼を受ける翻訳会社であれば予算回答が早くできて説明も簡単だし、事前見積りだけで精算まで持っていけますので、事後精算にも労力を使わないで済みます。
ひと昔前までは仕上がり換算で、英語だと200Wを基本とし、1枚と換算する翻訳会社が多かったと記憶しています。
その根拠となるのが、英語はタイプライター打ち出し1枚分(Wスペースベタ打ち23行)というのがほぼ200Wに相当することから、昔の料金の基準となっていたのだと教わったものです。
一方、日本語はマス目の原稿用紙1枚(400字)を基準に、原稿料や翻訳料の値段を決めることが多いので、
今でも和訳や中国語、韓国語などは400字基準となっているところは多く存在します。
たまに英語の200にたいして日本語の400という数字の違いに、なんだか英語のほうが損な印象で納得されないお客様もたまにいらしたのですが、このように文字の形態や文化的背景の違いから、形象文字である日本語・中国語は字数、アルファベットの欧文はワードの仕上がり計算となっているので、どっちが得か損かということではなく、もともとの尺度が違うのだと理解されればよろしいのではないでしょうか。
さて、以上を踏まえたうで、次回は
原稿量から換算する1文字=○円と、仕上がり200W/枚としたときの違いやどちらが得か?などをもう少し語ってまいりたいと思います。