前回のコラム「とりあえず中国語サイトページをつくろう」という罠~一括りにできない「中国語」~」では、いかに中国国内の言語が多様であるかをご説明しました。今回は「簡体字」と「繁体字」の違い、サイト制作における中国文化の理解の重要性をお話しいたします。
漢字表記にも2種ある中国
漢字文字だけの文化の違いで見てみると、大きく分けて中国語には「簡体字」と「繁体字」の2種類に分けられます。
「簡体字」は主に中国本土で用いられており、「门」や「东」など画数が少ない漢字が特徴です。
「繁体字」は主に台湾やマカオで用いられており、日本語の漢字表記に近く、「國」や「樓」といった画数が多い漢字が特徴です。
<当社制作による「簡体字」ページ>
<当社制作による「繁体字」ページ>
そして、「訪日ビジネスを考える 訪日中国人を知る (3)~中国人は何にお金を使っているのか~」にもある通り、今中国本土からの訪日数が伸び悩み爆買いが落ち着いてしまったといわれる中、台湾からの訪日数の伸び率は未だ高いままです。
交通機関などで主に用いられている中国語表記は「簡体字」のみの場合が多いのが現状ですが、「繁体字」の重要性も今後無視できないと思われます。今後「繁体字」によるウェブサイトの需要は、より高まると考えられるでしょう。
さいごに
以上の通り、中国語の文化の違いをご紹介させていただきました。ただ中国語サイトを簡体字と繁体字の違いについて知らずに作るよりも、これらの違いを理解することでよりサービスに適した翻訳、サイト制作が望めるでしょう。すなわちもっとも大切なことは、この知識を持ったうえで「そのサイトを誰に伝えたいか」「そのサイトでもたらしたいゴールは何か」をまず分析し、それに合わせた多言語化展開を施すことです。
当社では簡体字だけでなく繁体字におけるサポートはもちろん、サイトのコンサルティングからサーバー問題の解決を含めたご提案をさせていただいております。これからは、よりターゲットに応じて「簡体字」と「繁体字」を使い分けていきましょう。
参考
SAVOR JAPAN
日本政府観光局(JNTO) PRESS RELEASE(報道発表資料)
訪日外客数(2017 年 5 月推計値) – Japan National Tourism Organization
中国語の「七大方言」の違いをまとめた一覧表