「中国人」の母語は「中国語」ではない!?
「中国人の訪日外客数が増えているから、中国語ページを作ってしまおう」
そう考えて中国語サイト制作を考えていらっしゃいませんか?実はこれには、大きな落とし穴があります。
確かに近年の中国人訪日外客数は目を見張るものがあり、今年度は昨年度を上回るペースで客数が伸びていると言われています。しかし、「中国」と一括りに捉えてサイトを制作してしまうと、中国語独自の問題に直面し、せっかく作ったサイトがターゲットに伝わらないかもしれません。以前のコラム「そのサイト。海外現地では閲覧できていないかもしれません。」にもある通り、サイトを魅せたい国のサーバーで閲覧ができるかという問題もあります。本記事では、中国語文化について2回に分けてご紹介いたします。
ヨーロッパ大陸のように言語が異なる中国
日本における関西弁や東北弁といった方言の違いとは異なるほど、中国国内では発音も表記も違う言語が存在しています。今回はいかに中国国内の言語が多様であるかについてまずご説明します。発音の文化において一般的に「中国語」や公用語とされているのは、中国の首都北京で用いられている「北京語」を指します。一方、広東料理などで有名な広東を中心に用いられている広東語や、上海蟹で知られる上海では上海語など、少数民族も集まってできている中国では様々な言語が存在します。例えば、北京と台湾は互いの会話を理解できないと言われるほど文法も発音も違います。最たるものとして、読み仮名の違いが挙げられるでしょう。
日本語におけるひらがなですが、北京では「ピンイン(拼音)」というアルファベット寄りの表記、台湾では「ボポモフォ(注音)」というものを用います。スマートフォンのキーボードを見ても、大きく違うのがわかりますね。
<ピンイン入力用のキーボード>
<ボポモフォ入力用のキーボード>
文字や言語が似てはいるけれど通じない、まるでヨーロッパ圏の言語のような関係性と言えるでしょう。
次回は中国語の漢字の文化の違いを紹介し、サイト制作における中国文化の理解の重要性を紹介したいと思います。