CJコラム

外国人に伝える技術 ~情報を視覚的にみせるインフォグラフィックス~

人に伝えたいのに言葉では伝えづらい情報ってありますよね。
対面して話している時であれば身振り手振りなどで伝えることも出来ますが、その伝えたい情報がデータであったりする場合、言葉だけでは伝えるのがとても難しいです。そんな時はイラストやグラフを使い視覚的に表現するインフォグラフィックスという手法が有効的です。

インフォグラフィックスとは

「インフォメーション」と「グラフィック」を合成した言葉で最近では新聞や雑誌、テレビ、Web媒体などでも使われるようになっているので目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
言葉で伝えづらいことを伝える手法なので、言葉の通じない外国人の方に伝えるのには大変有効的です。
現に母国語が異なる人々が暮らす外国では好まれとても良く使われているようです。

日本国内でも、訪日外国人に向けたコミュニケーション方法として使われるようになってきています。
旅行口コミサイトであるトリップアドバイザーが、旅をテーマにしたインフォグラフィックス専用サイト「TRIPGRAPHICS」というサイトで「How to Enjoy ONSEN」(温泉の正しい入り方)などユニークなインフォグラフィックスを展開していてとても好評なようです。
また、文京学院大学が制作した外国人向けの「地震 防災マニュアル(文京区版)」が 2017 年度グッドデザイン賞を受賞するなど、その有効性が認められてきています。

外国人に向けた場合の注意点

そんな外国人の方とのコミュニケーションに有効的なインフォグラフィックス。
外国人向けのWebサイトを制作する時には是非使いたいものです。
最近ではインフォグラフィックスを制作するツールもあるようですが、制作するにあたり注意点もあります。
特に外国人に向けたインフォグラフィックスを日本人スタッフが制作する場合は要注意です。なぜなら日本人と外国人では色や図形、記号などに対して感じる感覚がちがうことがあるからです。


例えば
環境にやさしいエコなイメージを表現するときなど、日本では緑色がおおく使われています。日本人にとっては緑色は「自然」や「癒やし」のイメージが持たれているからですね。ところが欧米では緑色に「不気味」や「毒」のイメージを持つこともあるようです。欧米の映画やアニメにでてくる怪物に緑色が使われているのはこのためのようです。環境に良いものの表現が不気味と感じる色味だったとしたら、そこに共感は生まれませんね。

記号の場合はどうでしょう。
数字の範囲を表すとき、日本では良く「~」を使いますが英語圏では「-」(enダッシュ)を使います。
「※」も英語圏では「*」です。細かい違いなので分かるだろうと日本人は軽視してしまいがちですが、意外と何を表しているか理解されなかったり、伝わるまで時間がかかったりする事があります。

また、以前のコラムでも書きましたが「○」が必ずしも良い意味と捉えられないなど、日本での常識が伝わらないこともあります。扱う情報によって表現の仕方にはとても注意が必要になるのです。

まとめ

ぱっとみて直ぐに分かり印象に残りやすいのが魅力のインフォグラフィックスですが、それだけに一度誤解されると悪い印象がずっと残ってしまいます。そうなっては台無しです。視覚的に伝えるための単純な表現だからこそ正しく伝わっているかをネイティブの視点で確認することをおすすめします。

単に情報を伝えるだけの手法としてだけではなく、見ているだけでもワクワクするインフォグラフィックス。
アニメーションなど動きを取り入れたWebならではの表現をしたものも出てきて、ますます注目されてくるでしょう。
外国人に向けたコミュニケーションをお考えの方は取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

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