外国人向けのWebサイト制作時には意外な落とし穴があるものです。
例えば、「記号がもつ意味の違い」もその一つ。日本人が一般的だと思って知らずに使ってしまうと、実は全く逆の意味になり、機会損失の原因にもなりかねない事があるのです。
代表的で分かりやすい例を上げると「○」。
日本では「正解」だったり「可能」を表すもので当然良い意味として捉えられると思います。
ところが海外では逆の意味として捉えられることの方が多いとか・・・
例えばゲーム機のコントローラーのUI。日本では「○」が「決定」で「×」が「キャンセル」ですが、海外の地域によっては逆に「○」が「キャンセル」で「×」が「決定」になることがあるそうです。これは「○」は「オフ」を意味し、一般的にはempty(空白)や否定的な状況を示すことが多く、電気機器などでは電源スイッチに「オン」の位置を示す縦棒「|」と「オフ」の位置を示す○がよく使用されることなどからきていると思われます。また「×」は強い否定の意味のほか、「close」という意味を持つといいます。
社内の外国人スタッフに聞いたところ、学校でのテストにおいても正解は「✓」、間違えた箇所に「○」がされるそうです。
こうした体験からも「○」に対する印象は日本人のものとは異なるものになります。
では、実際のWebサイトの中ではどうでしょうか。
日本のサイトでのホテルの空室案内や、航空券の予約の空き状況を確認するカレンダー。
商品のサイズや色の在庫のあり無しを示す表の中に「○」が使われることが多いようです。日本人にとっては、「この色でこのサイズがある」ということが一目で分かるので、とてもユーザーフレンドリーなUIになるのです。
しかし、外国人ユーザーは「○」の意味が分からず、混乱してしまうかもしれません。
外国人向けにする場合、例えば空室の有り無しを示すカレンダーであれば「○」の表記だけではなく、「それぞれを色分け」をし、「色の意味をカレンダーの下に表示させる」などの対応をしたほうが良いようです。
「○」だけではなく他の記号でも、国や地域によっては持っている意味が変わってしまうものや、使い方のルールが違うものもあるようです。
普段何気なく使う記号ですが、ユーザーの視点に立った使い方を考えることで「良いUI設計」を目指しましょう。