翻訳会社において、その品質を語るとき、最も重要なものの一つに、コーディネーターの存在があげられると思います。
辞書によるとコーディネーターとは、一般的に「物事が円滑に行われるように、全体の調整や進行を担当する人」とあります。翻訳業界においては、「翻訳が円滑に行われるように、翻訳を頼みたい人と翻訳者との仲立ちとなって調整や進行を担当する人」と言ったところでしょうか。
具体的な仕事の内容は、だいたい以下となります。
1. 翻訳を依頼された原稿の内容や用途、納期を確認し
2. 依頼された言語・原稿の種類に適した翻訳者を選定、スケジュールを押さえ
3. 翻訳者には翻訳対象をわかりやすく、依頼者には対訳がわかりやすく納品形態も確認のうえ原稿を整理
4. 申し送り説明を添えて翻訳者へ手配、以上を可及的速やかに行い
5. 翻訳者から出来上がってきた翻訳について、誤訳や抜けは無いか、不明点は無いかをチェックし修正し
6. 必要に応じ補足・解説コメントを添えて納品
7. 納品後の依頼先からの問い合わせや質問・フィードバック修正にも対応する
これを1日に数件からこなすうえに、会社によっては営業窓口を兼ねていて、翻訳以外にも通訳や校閲者の派遣手配もこなします。
当社シトラスジャパンでは、中規模以上の案件か、案件の工期が1ヶ月くらい見込まれる場合に、案件の進行管理費としてコーディネーション費を計上するのですが、重要な存在の裏で影の存在ということもあり「何をする費用なの?」といちばん多く問い合わせをいただく項目でもあります。翻訳の品質が高く、対応がしっかりした会社は、その裏にしっかりしたコーディネーターの存在があると言っても過言ではありません。コーディネーション力の高い翻訳会社こそ信頼に値する会社だと私は思います。
ではこれまで実際に、どのようなコーディネーションのチカラが、翻訳業務に影響を及ぼしてきたのでしょうか?
次回のコラムでご紹介していきたいと思います。