当コラムでは、何度か越境ECについて取り上げてきたことがありますが、今回は、日本のECサイトをわざわざ利用する外国人についてフォーカスします。
まず、結論的に何故わざわざ日本のECサイトで物を買っているのかというと、その多くの方の目的は「日本限定商品」や「日本以外であまり流通していない商品(伝統工芸品など)」を買うためです。他には、「日本の販売店の方が安価なことが多い」や「日本の販売会社は誠実な商売をするから」という、商売の基本的利点を理由に挙げる方もいます。その目的・理由からして、単なる日本好きやマニアだけに留まらず、個人輸入業者的な側面で利用されていることもあるでしょうね。
さて、目的が分かったところで、ではこうした方が実際に購入しているECサイトはどこなのかというのを、ざっくり地域別に説明したいと思います。
アメリカ人
「Amazon Japan」「楽天市場」「ZenMarket」「Bento&Co.」あたりが比較的有名なようです。
※楽天市場は、2020年にGlobal Marketという越境ECはクローズしていますが、海外発送自体は対応しているため、利用されています。
ヨーロッパ人
「Amazon Japan」「楽天市場」「ZenMarket」あたりが比較的有名で、アメリカ人とほとんど変わりません。
尚、アメリカ人、ヨーロッパ人がわざわざ「Amazon Japan」を利用するのは、母国Amazonアカウントで「Amazon Japan」でショッピングが出来て、翻訳も簡単という理由です。つまり、欧米現地向けの販売プラットフォームとしては、「Amazon Japan」は有力ではないかと考えます。もちろん、マーケットプレイスでの購入も多いようです。
東南アジア人
「Shopee」「Lazada」あたりが比較的有名なようです。双方ともにプラットフォームとしてはシンガポール、東南アジアのものです。出店社側が越境していて、消費者側は越境してこないというのが、東南アジアの傾向です。今回のテーマにはあまり合致しない地域かもしれませんね。
中国・韓国・台湾
こちらも東南アジア同様、出店社側が越境していて、消費者側は越境して来ないというのが主になるのですが、例外は「メルカリ」です。日本のエンタメ、ホビー関連の購入チャネルとしてメジャーな位置を占めています。実際に、2024年8月に、メルカリのプレスリリースでその裏付けデータも発表されています。
https://about.mercari.com/press/news/articles/20240829_crossborder-trend/
東アジアでまさかの個人間中古取引市場が越境ECとして成長しているという事実。
以上、ご参考までにて。