大学の卒業旅行でチベットへ行ったことがあります。四川省成都市から出発し、青蔵鉄道を使って約四日間の鉄道の旅を経てラサに到着しました。旅の途中、ゴルムドを通過して、青海湖やココシリを遠く眺めることもできました。
欧米や世界の国々にとってチベットは神秘的で未知な場所であり、様々な考えや思いを抱いています。現在、チベットは政治的論争を抱える地域でもあります。
しかし、一度でもチベットに足を運べば、指摘されているような政治的問題がほとんどないことがわかります。必要以上にチベットを政治的論争の場所にすることは、豊かな自然を奪うことに等しいです。延々と広がる大地と空は、人間が取るに足らないちっぽけな存在であることを感じさせてくれます。
私がチベットを訪れたのは8月の雨期でしたが、5月や6月ごろがお勧めです。
朝4時に起床し、高原の冷たい空気と雨の中、車に乗り込みました。車のライトの光が細雨を通り抜け道路を照らす姿を見て、寂しさを感じつつも、黎明への期待を抱いていました。
ナムツォ湖に到着しましたがあいにくの雨で、くすんだ青色の空と湖が調和し、対岸を見渡すことができませんでした。数人の友人が、高山病のために体調を崩しましたが、高山病にならなかった私は小鳥のようにはしゃいでいました。
マムツォ湖は、一般の旅行客に部分的に公開されています。
ここでは、ヤクに乗る体験ができます。アクセサリーを販売している人もいますが、現地の風習を理解していない方には購入をお勧めしません。マムツォ湖はチベットの住民たちが葬儀を行う場所の一つであり、売られているアクセサリーは副葬品である可能性も否定できません。逆に言えば、品を見定める能力があれば、価値のある掘り出し物を見つけることができるかもしれません。
バター茶やツァンパは、よく知られているチベットの食べ物です。
残念ながら、私の口に合いませんでした。言い換えると、塩味のミルクティーと土壁のような食べ物でした。(あくまで個人的な感想で、悪意はありません)。
お米が主食の日本人には、うどんのようなチベットの麺「トゥクパ」やチベット風牛肉カレー丼が口に合うかもしれません。
ちなみにチベットの麺は少し硬めで辛いのが特徴です。硬い麺が好みの方にはおすすめです。スープはチベットの麺の味を左右する重要なものです。寒いチベットで温かいスープを飲むと、とても幸せを感じます。
チベットは訪れた人にそれまでの認識を改めさせ、自分と人生を見直す時間を与えてくれるでしょう。まさに、天国から借りてきた場所だと言えます。
都市部で忙しい日々を過ごしている人々は、あの真っ青な空を仰ぎ見ることで、自分の小ささと個性を感じ取り、人生に対する認識や生きる姿勢に対する考え方が新しくなるかもしれません。