CJコラム

インバウンド向けのプロモーション戦略を立てる上で有用な基礎データ5選

2024年に入り、コロナ禍前の賑わいを取り戻し、もはや日本各地でオーバーツーリズムが懸念されるほど、天井が見えない伸びを見せているインバウンドマーケットですが、皆様どういった情報を元にプロモーション戦略を立てていらっしゃいますか?

今回、基本に立ち戻って、定期的にチェックしておきたい情報群をまとめてみました。
単純な訪日外客統計を見て『外国人増えたねー』と日常の話題にするよりも詳しく知る必要がある場合には、ご参考ください。

 

日本政府観光局(JNTO) 市場動向トピックス
https://www.jnto.go.jp/statistics/market-info/market-topics/

JNTOが主催する、ビジット・ジャパン事業の対象国(訪日外客数上位の韓国など)の「旅行会社」へのプロモーション活動報告がまとまっている資料です。旅行会社への働きかけは、そのまま旅行販売商品に組み込まれたり、ツアー商品の売り文句に繋がることになりますので、ここの情報をチェックしておくことは、数ヶ月先の需要を読むことに繋がります。

 

観光庁 訪日外国人消費動向調査
https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/gaikokujinshohidoko.html

四半期データとして、訪日外国人が滞在中に何にお金をどれくらい使ったかを統計したデータです。旅行前支出や、訪日外客が期待していたこと、次回訪日時にしたいことなどもヒアリングに基づいて統計されているため、どんな商品・サービスで、どれだけの価格のものであれば売れるのかを推定する上で、非常に有益です。

 

観光庁 宿泊旅行統計調査
https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/shukuhakutokei.html

全国の宿泊施設を網羅し、都道府県別、施設規模別、施設タイプ別に宿泊者数を統計したデータです。(第二次速報値と確定値のみ。速報値は都道府県別はなく、総数のみ。)こちらのデータでは、国籍別にも集計表があるため、単なる入国者数統計と違い、経済活動がどこで行われているのかを推定する上で、役に立ちます。もちろん、日本人の国内旅行の動向としても有用なデータです。

 

国土交通省 FF-Data(訪日外国人流動データ)
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/soukou/sogoseisaku_soukou_fr_000022.html

既存の統計データをベースとして、旅客流動の実態を捉えた唯一の公式統計資料です。RESASにも取り上げられていますので、数値の有効性は問題ありません。旅客流動の実態を見ることで、より実効性のある戦術立案が可能となるのは言うまでもありません。尚、Webサイトでは利用できない、貸し出し用としてのみ利用可能なデータ(とはいえ、主に旅程設計用と思われるものなので、旅行業者以外はあまり必要がなさそうですが)もあります。

 

日本政府観光局(JNTO) JNTO訪日旅行データハンドブック
https://www.jnto.go.jp/statistics/data/publications.html

JNTOが調査集計分析しているあらゆる訪日外客データを年間統計としたファイルです。
世界各国人口、主要国の民族構成、言語、経済、所得などの基礎データも充実しており、年間を振り返って将来を予測するためには、このハンドブックで事が足りると思われます。しいて難点を挙げると、情報が多すぎて、本気で調べたいと思わなければ心が折れるくらいでしょうか。

 

有用と思われる対象が広い順に挙げさせていただきました。
最後のハンドブックは別として、上の3つのデータは発行されたら読みにいく癖を付けておくとよろしいかと存じます。

 

 

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