2021年5月28日に、経済産業省から「2020年情報通信業基本調査(2019年度実績)結果」が発表されました。正直、コロナの影響がない時点のデータですので、早く2020年度実績が見たいと発表直後に思いました。
ここで今回は2019年、もはや前時代を敢えて取り上げようと思います。
何があったか忘れかけていて、そういえば、国内でもCtoC市場、新しいEC向けプラットフォーム、サブスクなどがワードとして目立っていたので、そのあたりの新興サービスは実際どうだったのかという点を振り返ってみたかったというのも一理あります。
2020年情報通信業基本調査の結果概要を読むと「サービス別売上高、課金・決済代行業(同+91.6%増)、ショッピングサイト運営業及びオークションサイト運営業(同+51.1%増)、ウェブ情報検索サービス業(同+24.3%増)が2桁と増加」とあり、気になっていたサービス分野提供企業は非常に堅調で、さらに昨今の状況を考えると、2020年度実績はさらに輪をかけて伸びているのかなと思われます。
ですが、該当するサービスを提供している企業の60%が、海外展開を今後も予定していないと回答しており、ひょっとしたら2020年度実績では伸び率が思ったより鈍化しているかもしれませんね。
皆さんは、いくつかの企業やサービスを思い浮かべて、『あれだけ大々的に投資や広告宣伝をしていて、勢いもあり、堅調なサービスなのに何故世界を見ないのか?』と思われるかもしれません。もし、株主の立場であれば、この消極的な姿勢を見たらより大きく失望されるでしょう。
ですが、残念ながら、他の先進国では先発して地位を確立しているサービスがすでに存在しており、そこに入り込む余地がないわけで、むしろ国内で勝つことに集中するのは、最も堅実な考え方といえるかと思われます。
そもそも、決済サービスは大元となる国際カードブランドのシェアの大半は日本国外の企業が握っており、そこに乗っかる決済サービスが海外に出て行っても適いませんし、二次元バーコードによる決済も、皆さんご存じの通り、中国での話題がメジャーなニュースに出てから日本のサービスも立ち上がってきているという経緯です。
尚、欧米では日常的にクレジットカード決済が圧倒的シェアで、非クレジットカード発行会社提供の二次元バーコードによる決済はごく一部にとどまっています。(ドイツのように、未だに請求書を受け取って銀行振込がECでも最有力という変わった国もあります。)
ECプラットフォームやサブスクについては、もはや言うまでも無いでしょう。
逆に、先発している海外サービスが軒並み日本国内でトップシェアとなっていない方が不思議ですね。ひとえに、ガラケーの頃から言われているガラパゴスだからでしょうかね。(提供企業側も日本の不可解な特徴を分かっていて、日本をセカンドターゲット以降にしているというところもあります。)
先端技術を駆使して走っているわけでもない、小企業である当社が偉そうにおこがましいかとは思うのですが、「流行には乗っておきましょう。国内だけで。海外に持っていくならもっと別のことを考えましょう。」これは、ことある毎に口にすることです。