「日本のWebページはゴチャゴチャしていて見にくい!」これはよく、当社の欧米人クリエイターに言われることですが、いやいや、こんなので文句言ってはいけません。
ご覧下さい。
日本人でも知っている人が多い、百度(バイドゥ)のニュースサイトトップページです。
左側テキストでニューストピックの羅列、右上には写真つきニュースのカルーセルがある・・・と思いきや、このカルーセルのリンク先は、全て他社サイト。当然ながら、どこにもそんなことは書いていません。
カルーセル直下の中国国旗のアンカーも別サイト。その下には背景青の箱が並んでいて、これらはタグクラウドです。そして、欄外右はナビゲーションになっています。
どうです?デザイン以上に、ごっちゃごちゃですよね?(これでもかなり色味もすっきりした方で、数年前は・・・)そして、Baiduの検索結果も
すっきりはしている気もしますが、一時期のディレクトリ型検索エンジンかと思う見た目。検索キーワードと一致したハイライトも赤文字と、色味鮮やかです。
さらに、中国の有名ポータルサイト「新浪」も、トップページから金融トピックに移動しようとしたら・・・
全面使った「新浪金融アプリが便利になったよ!今すぐインストール!」強制表示。『まぁ、このサイトの金融ニュースを見ようとしていたから、そのアプリ版の紹介なら仕方が無いかな』と思ったのですが、よく読むと、証券取引アプリ。広告ですかね・・・?という内容です。
超有名な表面的な非営利サイトでこの状態ですから、他は推して知るべしです。
「見たか、これが二バイト文字圏だ!」と欧米人に言い返したくなりましたが、言い争う手合いのものではなく、これが文化の違いということです。
日本人(比較的年齢高め)は、スクロールせずに大体の情報を知りたい方が多いですし、中国人はテキスト情報が大好きです。ですので、この二カ国のWebページはごちゃつきます。
「文字情報より画像情報の方が○倍も情報伝達できる!」とかいう一般理論は、必ずしも現実に適合するとは限りません。人間は、必ずしも合理的行動、論理的判断を取るわけではありませんし。
中国では、画像だけで文字が少ないことは、説明が十分ではないと不審に感じたり、そもそも興味を持たないという傾向があります。「本当に良い商品で、私のためにぴったりだから是非買って欲しいと思うのであれば、私がそれを理解して、納得するまでちゃんと説明するのが正しいことではないか。」というスタンスは、中国人向け対面接客では基本中の基本であり、それはWebサイトでも同じということですね。
ですが、耳で聞いて手に取るのと違い、Webページ上で文字だけで伝えるのは、お客様側も情報を追っていくのが大変です。
そこで、重要なところが分かりやすいハイライトや、アイキャッチは、中国のWebサイトでは好まれる修飾で、テキスト情報が多いだけに、ハイライトやアイキャッチだらけになるので、今度は区別するために様々な色を用いる。
という流れで、冷静に異国人が見るとごちゃついているという感想になるのだと思います。
お客様のことを考えて、ごちゃついても説明を尽くす。
昔ながらの日本的Webサイトも、一概に否定しうるものでは無いですね。