CJコラム

単数形のTheyを知っておこう

They=彼ら、と即答する方は多いと思います。
そう、2人以上の代名詞として使われますよね。
このtheyが単数形でも使われることをご存知ですか?

 

Ask anyone and they’ll tell you. (誰かに聞いてみたら、教えてくれるよ。)
Someone was there, weren’t they? (そこに誰かいたよね?)

 

単数なのにtheyで受けるなんて・・もやもや。
そう、中学で習った英文法をキチンと理解しているあなた、その気持ちはよくわかります。
でもこのように、性別が不明であったり、あえて明らかにしない場合に、単数形の代名詞として使われます。

 

近年この単数形として使うtheyは、性別に対する意識の高まりにより、さらに注目されるようになりました。

 

1828年から続くアメリカの辞書出版社メリアム・ウェブスターが2019年を代表する単語として発表したのが、singular “they”(単数形のthey)でした。この辞書には、現在theyの意味に以下が加わっています。

 

“used to refer to a single person whose gender identity is nonbinary”
(自分の自認する性別がノンバイナリー(男女のどちらでもない)の人)

 

最近では、「sheでもheでもなく、私はtheyなんです」、と自ら代名詞をtheyだと言う人がいるということです。

 

代名詞と言えば、同様に流行語を毎年発表しているAmerican Dialect Societyは2019年のWord of the Year に“My pronouns” (私の代名詞)が選ばれたと発表しました。

 

アメリカでは自己紹介の場面で

My pronouns are she/her/hers.
(私のことを話すときは代名詞に彼女/彼女の/彼女のものを使ってね。)

と、あらかじめ自分に対して使ってほしい代名詞を言う人が増えているそうです。
そして、この団体が2010年から2019年の10年間を代表する言葉として発表したのが今回のテーマのsingular “they” (単数形のthey)でした。

 

ノンバイナリーの人はおそらく自己紹介に

My pronouns are they/them/theirs.

と言うでしょう。

 

日本ではまだ代名詞の使い方にここまで敏感ではないと思いますが(単数形のtheyにあたる日本語が思い当たらない…)、アメリカでは若い世代を中心に、代名詞の使い方が柔軟になってきている、と知っておいてもいいかと思います。

参考:

Merriam-Webster they (pronoun) 
https://www.merriam-webster.com/dictionary/they

2019 Word of the Year is “(My) Pronouns,” Word of the Decade is Singular “They” 
https://www.americandialect.org/2019-word-of-the-year-is-my-pronouns-word-of-the-decade-is-singular-they

 

 

 

 

 

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