CJコラム

UX(ユーザーエクスペリエンス)~ Webサイト制作におけるサービス精神Vol.1~

(出典https://www.iamue.com/29773

「ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)」はWebサイトの利用者に対する「サービス精神」を体現したものだと言えます。サービス精神は実店舗に有効であり、その店を様々な形で彩ります。これはWebサイトでも同じです。日本は「おもてなし」精神で有名ですが、残念なことにWebサイトでは、このような配慮に欠けていることが多く見られます。これは非常に残念なことです。

もしあなたのWebサイトが旅館だとしたら、旅館の利用者が一番気になるのは何だと思いますか?
言うまでもなく泊まり心地です。もしあなたが経営しているのが普通の旅館ではなくレジャーホテルであれば、面白さと雰囲気が要となると思います。
また、レストランであれば、出される料理の味にもサービス精神が現れます。このように泊まり心地、料理の味、面白さや雰囲気などは、サービスの「基本機能」であり、この機能が低下もしくは消失すれば、レストランや旅館として失格の烙印を押されることになってしまいます。

(出典https://www.hoshinoresorts.com/

上記は、星野リゾート公式サイトのトップページ。分類方法、デザインやレイアウトは私が見てきた中で最も優れていると思います。施設、体験、飲食に関する項目が一目瞭然で、尚且つ穏やかで上品な雰囲気を感じさせてくれます。)

 

実店舗が持つ基本機能をWebサイトの制作に適用することで、Webサイト利用者は「ユーザー体験」を容易に得ることができます。そして、ユーザーの利用満足度を上げるには、Webサイトの基本機能をしっかりと備える必要があります。それが下記のピラミッド一層目にある「Usability使いやすさ」です。
(出典:https://cdn-images-1.medium.com/max/1600/1*zmsOOlJkn3U7aC4JbrNfeA.jpeg)

 

下記の画像は楽天ショッピングのトップページですが、「ユーザー体験」に関してはあまり上手くできているとは言えません。(出典:https://www.rakuten.co.jp/)

一番上の灰色の白抜き文字は20項目もあり、わざわざクリックしなければ、各項目の内容がわかならないものが多くあります。また、選択項目が多すぎることで、利用者に精神的な負担を負わせる可能性もあります。例えば「証券」と「銀行」を「金融」に、「ブックス」と「動画配信」を「娯楽」にまとめるのも良いかと思います。また、楽天のSNSアプリケーション「ROOM」は、APPと記載すべきだと思います。知名度の高いアプリケーションであればアプリ名をそのまま記載しても良いですが、そうでない場合はAPPと記載したほうが利用者にとってわかりやすい表記になります。

初めて私が楽天のサイトを利用した際に最も大変だったことは「ログイン/登録」を見つけることでした。「ログイン/登録」はホテルや旅館のチェックインのような役割を持っているので本来はすぐに見つけることができるようにしておく必要があります。時間をかけて探したところ、ようやくWebサイト右上の「myクーポン」がログイン機能の役割を果たしていることが分かりました。

楽天のWebサイトを旅館と考えてみましょう。宿泊者が旅館に入ると何十もの部屋が並んでいますが、受付フロントが見当たりません。そして、各部屋の扉の前に貼られている看板の意味も分からず、どの部屋を利用すればよいのかも分かりません。洗面所と書かれた扉を開けると、笑顔のスタッフが目に入ってきます。この旅館のような光景がまさに楽天のWebサイトの現状だと言えます。

(出典:https://www.uisdc.com/problem-with-online-eviews)

「Usability使いやすさ」と実現するには、まずボタンの機能を明確にしておく必要があります。Webサイトには様々な機能が要求されますが、多ければよいというわけではありません。複雑で分かりにくい機能をなくし、レイアウトを工夫するなどしてシンプルでわかりやすいものにする必要があります。利用者が一目でWebサイトの内容を把握できるように、サービスや業務内容を中心に機能を明瞭することが、Webサイトの「Usability」を保証する基本となります。


次回は「ユーザー体験」の基本である「Usability」についてお話します。

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