CJコラム

中国人にとって「使い心地の良いサイトとは?」 

シンプルさ

「サルでも分かる」のようなわかりやすさと一目でわかる美しさ。Webサイトのデザインにおける「シンプルさ」というのは、複雑な情報を簡単な方法で伝えることです。例えば、文字の代わりに画像を使うことで直感的に情報を伝えます。文字を読むよりも、画像を見るほうが好まれます。中国市場を展開する場合、中国のユーザーに製品を画像+簡潔な文章で紹介することで、より大きな効果を得ることができます。具体的な事例を下記に紹介します。左は商品の画像で、右は商品の名称です。

        
出典:TAOBAO店「芍藥居少女原創設計

右の商品名は「緑野小仙和服」で「緑の原にいる仙女」という意味です。夏の旺盛な生命力をいっぱい感じさせるこの商品名から、この羽織の薄さと涼しさを想像することができます。中国の販売者は、商品に個性のある名前を付けるのが好きです。面白い名前を付けることによって、実際に使用する様子を想像させて、消費者の購入意欲を引き立てます。日本の通販サイトでよく使われる、まじめで硬い感じのする商品名より、簡単でわかりやすい方法で「~感」や「~雰囲気」と伝える方が中国の消費者の心をより早く掴むことができます。生活の中で実際に使用している様子を想像することができれば、その商品は間違いなく欲しいものになるでしょう。

スピード

「使用習慣の適応期間」と「操作性の悪さ」はサイトの利便性を悪化させます。無駄な画像や文章の重複を取り除き、ユーザーの操作感を向上させます。

  
出典:GO TOKYO

上記のWebサイトでは「大江戸温泉物語」の文字が上下重複して表示されています。最初の方で十分に目立つので、中国人の私から見ると、下の方で繰り返し表示する必要がないように感じます。この部分には茶道や生け花体験などの日本文化を掲載する方が良いと思います。また、一番上のバナーで使われている花火の画像に対して、下の方でも「花火」の画像が使用されています。重複した内容があるとユーザーは時間をかけて、不要な情報を自ら取り除く必要があり、サイトを快適に利用することができなくなります。同じ内容をもう一度閲覧することはユーザーにとって、時間と手間の無駄になります。また、デザイン構成が分かりにくいサイトの場合、ユーザーがサイトに合わせて自分の使用習慣を変えなければなりません。このためサイトの利用を諦めるユーザーが増加し、ユーザー数の急減につながることにもなります。

明確性

中国人にとっては、横配置の方がユーザーが比較しやすいです。「上から下」より、「左から右」のほうが中国人の閲覧習慣にも合います。     

出典:左は「じゃらん」のレンタカー 右は「TAOBAO」のレンタカー

じゃらんでは、商品内容は縦に並んでいます。TAOBAOでは、横に商品を四つ以上並べています。左のWebサイトの場合、車を比較したい場合、ページを動かさない状態で最大何台表示できるでしょうか。多くても3台しか表示できません。これに対し、右のWebサイトでは情報量は明らかに多くなっています。実用情報を一目瞭然に配置するページデザインであれば、ユーザーが比較する際の利便性の向上が図れます。比較と選択の主導権をユーザーに委ねることで、「クレージーショッピング」であっても、ユーザーは自分が「理性的」だと感じます。利用者に「比較する」チャンスを十分に与える必要があります。店舗で買い物するとき、何軒も回って、ようやく一番安い物を買った時の達成感や、探し回って諦める寸前に見つけた時のサプライズ感などを体験できるホームページを作る必要があります。

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