「ウォーフの仮説」ってナニ?~part 1 言語と思考の関係性~
私たち人は、何かを考えるとき、頭の中で無意識にいろいろと言語を使用しています。
つまり、言語無しの思考は存在しないという仮説があります。この言語と思考の関係について2回連載に分けて考えてみたいと思います。
皆さん、「ウォーフの仮説」という理論をご存知ですか。
1930年代にベンジャミン・ウォーフという一人の男性がいました。
彼はネイティブ・アメリカンと中央アメリカ民族の領土に行って言語の研究を行いました。すると、時間の流れ等の表現方法が世界の他の国と全く違うという事が分かりました。例えばネイティブ・アメリカンのホピ語では、「時間」という言葉が存在しません。そして、「過去は後ろ、将来は前」のような概念がなく、過去形も存在しないのです。そこでウォーフ氏は、彼らは時間概念自体を理解できていない等のような結論を出し、その言語が、その人の思考や世界観を支配しているという仮設を出しました。
これを「言語的相対論(Theory of linguistic relativity)」とも呼びます。
彼の研究は、当時の考え方を騒がせました。
人間が現れる前から一定で普遍的な現実が存在していて、それを表すために人間が言葉を作ったという考え方の時代に、ウォーフ氏は真逆の仮説を唱えたのです。つまり、言語を習うにつれて、世界観が作り上げられるているのだ、と。
この仮説にいきなり直面した当時の人は、さぞかし混乱したことでしょう。もしかしたら自分たちが把握している「現実」はもともと存在していたのではなく、それぞれの人間が、言語を通じて作った現実なんだろうか、今までの考え方は間違っていたのだろうか...と。
さて、皆さんは、どう思われますか?
次回Part 2をお楽しみに。
参考資料
http://www.nytimes.com/2010/08/29/magazine/29language-t.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/言語的相対論
https://ja.wikipedia.org/wiki/サピア=ウォーフの仮説