CJコラム

日本の世界遺産と観光、そして訪日外国人

オリンピックに向けてますます訪日外国人が増えていくことが予想されますが、
人気の観光テーマの一つに「世界遺産」があります。
日本には今、ユネスコの世界遺産に併せて22の「文化遺産」と「自然遺産」が登録されています。
そんな「日本の世界遺産」ですが、Googleが日本国内の世界遺産についての検索ランキングを発表しています。

日本国内の世界遺産についての検索ランキングベスト3

1位:富士山/信仰の対象と芸術の源泉
2位:富士山/山梨 河口湖周辺
3位:京都府/古都京都の文化財

検索数が多いのは「訪れてみよう」と思う人が沢山いるのだからと思いますが、
実際の観光客数のベスト3は、

1位 京都府/古都京都の文化財
2位 奈良/古都奈良の文化財
3位 日光の社寺

やはり整備された有名な観光スポットに足を延ばす人が大半のようですね。それでは訪日外国人に人気の「世界遺産」はどこなのでしょう。
トリップアドバイザーによる「外国人に人気の観光スポット」から見てみます。

1位:京都府/古都京都の文化財(伏見稲荷大社 京都市)
2位:広島/原爆ドーム
3位:広島/厳島神社

「検索数」と「実際の観光客数」とは1位こそ同じ「京都」ですが、興味深い結果ですね。
この「世界遺産」ですが、1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて登録されますが、「保護」のためだけではなく、登録された地域では大きな観光資源となっています。
例えば・・・
「屋久島」では経済効果は244億円(参照:環境省屋久島自然遺産センター「屋久島世界自然遺産 登録の効果と課題(H26.10.25)」)。
「知床」では、経済効果は134億円(参照:北海道斜里町役場「斜里町観光振興計画(平成27年6月)」)。
と大きな効果を生み出しています。
その反面、本来の「保護」の目的とは相反する、過度な観光開発や多くの観光客が訪れることによるゴミや環境破壊など深刻な問題が課題となっています。
こうした様々な「功罪」ありながらも日本の観光資源の大きな柱として「世界遺産」は存在しています。

 

これからもさらに登録数は増えそうです。観光資源としての「世界遺産」の行く末も気になります。

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