翻訳会社アレこれ~Vol.20 Webサイトの翻訳には気をつけよう②事前準備のポイント~
前回のコラム、Webサイトの翻訳や校正作業はあとから追加作業がどんどん増え予算も納期も当初の想定どおりとは行かず思わぬ狂いが生じてしまう。。。の話の続きです。
Webサイトの実制作では事前の要件定義で作業内容について得意先と細かな刷り合わせするところから始まるわけですが、Web翻訳の作業確認でも似たようなことをすれば良いと思います。下記6つのポイントをおさえてみてはいかがでしょうか。
①URL入りのディレクトリ表を提供してもらう。
口頭で伝えられたURLは参考までに閲覧しますが、対象については、必ずURL入りのディレクトリ表を提供してもらい、サイトの構造を知り、翻訳対象ページを明確にすることからはじめます。URLは必ず入れてもらいましょう。すぐにはたどり着けないページもこれなら直で行けてページのキャプチャを撮るのも便利です。
②ページ内のテキスト以外も翻訳の対象かを確認する。
サイトTOPのバナーやローカルナビゲーションにあるバナー、図表のライトボックス、動画ページ、JavaScriptで制御された静止動画スライド、さらにそこらからの遷移先なども対象になるのかを確認します。画像や静止画のスライドなどテキストが取れない、スライドが進んでしまってテキストが読み取りきれない、などの場合は先方からキャプチャを提供してもらいましょう。
③隠れたページは先に教えてもらう。
オンマウスやボタンをクリックして開くページなどは、最初から開いた状態にしてもらうよう交渉します。具体的にはWebディレクターに頼んで、対象ページのURLとソースから外して欲しいコマンドを指定し、得意先にページを数時間だけ開けてもらう、その間にテキスト抽出やキャプチャの作業を行います。普通の翻訳会社では無理かもしれませんが、当社のWebスタッフだとすぐに解析してくれます。動的に作成されるページなどは、この工程なしでページ校正や翻訳原稿を作成するのは非常に困難です。
④ソースの情報も対象かを確認する。
alt、ディスクリプション、メタタグの情報も翻訳の対象となるのかも確認します。後からの追加だと結構な量になる場合が多いので、必ず事前確認を取りましょう。こちらは出来るだけエクセルの表などにまとめたものを提供してもらうようにします。
⑤翻訳納品後のフィードバック対応について。
お得意様によっては、翻訳はおまかせで物言いもなく済めばいいのですが、納品した英文に赤字を入れるお得意様の場合だと思わぬ手間と工数がかかってしまいます。予めそれらの発生が見込まれる先なのかどうかも事前に見極める必要がありますし、平文ではなくディレクトリ表にテキスト対訳を追加して原稿整理するなど、修正を見込んだドキュメントを準備しておく必要があります。
⑥サイトが組みあがったあと、校正の有無も確認。
やっと翻訳を納めたと思ったら、急いで「テストサイトを校正して欲しい」と言われることも多々あります。それも突貫工事でなんとかテスト公開までたどり着いたので、1~2日くらいで100ページ近くを校正して欲しいなどということも珍しくはありません。1ページを1分ほどで見るとしても2時間からかかります。ましてキャプチャを撮って修正指示をいれたら、もっと時間がかかるのです。組みあがり後の校正スケジュールも確保しておく必要がるかどうかも確認しておきましょう。
以上のことが事前に出来てさえいれば、Webサイトの翻訳・校正に際して大きな追加や負担が生じることは防げるはずです。いかがでしょう。