CJコラム

ピクトグラム標準化とWebデザインについて


Webデザインを提案する中で、「このピクトグラムは2020年の東京五輪に向けたユニバーサルデザインとして検討されている国際規格のものを使用してほしい」といったご相談を受けることがあります。
ピクトグラム・国際規格・JIS規格・ユニバーサルデザイン・・・と、ニュースで耳にすることも増えてきたこれらの単語。なんとなく分かっているような分かっていないようなこれらの単語について改めて調べてみましたので、今日は簡単にご説明しようと思います。

まず、ピクトグラムとは何なのでしょうか。

ピクトグラムとは

一般に「絵文字」「絵単語」などと呼ばれ、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サイン)の一つである。地と図に明度差のある2色を用いて、表したい概念を単純な図として表現する技法が用いられる。
主に鉄道駅や空港などの公共空間で使用され、文字による文章で表現する代わりに、視覚的な図で表現することで、言語に制約されずに内容の伝達を直感的に行う目的で使用されてきた。 

引用元: ピクトグラム – Wikipedia

つまり、国籍等を問わず誰が見ても認識できる必要があり、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、経産省は公共施設などの場所を表す「案内用図記号」(ピクトグラム)の国内規格の改定を進めているのです。

JIS(国内)規格とISO(国際)規格

ピクトグラムの規格は、大きく分けるとJIS規格とISO規格のものがあります。それぞれどういった違いなのか具体的に見てみましょう。

・JISとは

JIS(日本工業規格)とは、我が国の工業標準化の促進を目的とする工業標準化法(昭和24年)に基づき制定される国家規格です。
※規格総数 10,616規格(平成29年3月末現在)

引用元:日本工業標準調査会

この内容からわかるようにJIS規格とは、日本で決められた国家規格です。JIS規格で定められたピクトグラムは日本国内ならば一般的に使用され、理解されているピクトグラムといえるのです。

・ISOとは

ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関 International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称です。~中略~ISO規格は、国際的な取引をスムーズにするために、何らかの製品やサービスに関して「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにしましょう」という国際的な基準であり、制定や改訂は日本を含む世界165ヶ国(2014年現在)の参加国の投票によって決まります。

引用元:日本品質保証機構

日本を含めた165ヶ国ほどの国の団体が加盟している組織が作り、推進しているピクトグラムというのがISO規格ピクトグラムということです。
つまり、国際的に通用するピクトグラムを利用したい場合には、ISO規格のものを使用する事をオススメする、というわけです。

見直しが決まったピクトグラムのご紹介

それでは最近見直しが決まったピクトグラムをいくつかご紹介しましょう。

 

1、駐車場

私達が誰でも知っている「駐車場マーク」。ですが、よくよく考えると、Pと聞いて必ずしもパーキングを思いつくはずはないですよね。車のイラストがあった方が親切です。

 

2、手荷物受取所

こちらもそうですね。カバンの絵だけでは「手荷物受取所」とは思わないかもしれません。

 

3、ベビーケアルーム

同じく、赤ちゃんだけではなんのことやら・・・ですね。
最後に、最近ちょっと話題になったのでご存知の方もいると思いますが、おなじみの温泉マーク。

 

4、温泉

従来の温泉マークは3本の湯気が立ちあがるデザインでおなじみすが、外国人が見ると「暖かい料理を提供する店」と誤解する恐れがあるとして、ISOでは3人が入浴する新デザインを提案していました。ですが今度は「混浴と誤解されるのではないか」と温泉地から批判が続出、結果、どちらを使用するかは表示者の判断に任せるとなりました。

 

なるほど・・・確かに親子で入っている絵にしか見えません。

 

これ以外にも、最近「日本レストルーム工業会」が、トイレの操作方法を示す新マークを標準化を決定したと発表がありました。ちょっと気をつけてみると、街のあちらこちらでピクトグラムの標準化が進んでいることが分かり面白いですよ。

 

外国人向けサイト制作に携わる方は、まずはじめに、国際規格のピクトグラムがあるかを調べる癖をつけた方が良いでしょう。

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