CJコラム

訪日ビジネスを考える~最低限の海外向けコーポレートサイトの“最低限”はどこ?~

訪日ビジネスを考えるという一連のコラムは、BtoCを意識した内容としていましたが、今回はBtoB寄りのお話をしてみたいと思います。
とはいえ、いきなり外国人バイヤーをつかまえるには?クロスボーダービジネスをどう展開するか?という話をする訳ではありません。企業として最低限の海外向けWebサイトや頒布物をどう作ったらいいかということにフォーカスして説明します。

日本と欧米では、コーポレートサイトに含まれる内容と構造に違いがあります。仮に上場企業だとして、一般的なコンテンツを挙げてみると以下の様になります。

 

日本のコーポレートサイト


※非上場企業であれば、「IRリリース」から「株主総会」あるいは「CSR」までのコンテンツは存在しませんね。

 

欧米のコーポレートサイト


※非上場企業であれば、「GRIスタンダード・SGDsなど」から「株式情報・株価・配当金・自己株異動」までが存在しません。

 

欧米のコーポレートサイト側で橙色背景としたコンテンツが特に日本と大きく違うところです。
理由として、欧米人が企業を見る際の視点が日本と異なっているためです。

・その会社のトップが何を考えているのか。
・その会社が社会でどういった役割を担い、存在理由はどのようなものであるのか。
・その会社が潰れない、社会的正義はどこにあるのか。


以上のことを資本金や業績以上に重要視しています。
上記が社会において広く受け入れられ、会社の舵取り役が本気でさえあれば、業績は普通に考えれば伸びるという順序で考えているためです。

 

つまり、一応会社の構えとして英語版サイトを作っておこうという発想(よくある話です)だったとしても、日本語の会社概要と事業概要だけをそのまま英語に翻訳しておけばいいという話は、最低限を下回っています。
最低限とはいえ、海外の方(見込客なのかパートナー候補なのか、投資家なのかは色々ですが)が見て、会社の存在を認知してもらうことを期待するのであれば、上記の欧米人の視点に立ったページ内容を構成しなければなりません。

これはもちろん、Webサイトだけではなくて、展示会などで使う会社案内パンフレットなども全く同じ話ですし、もし、ダイバーシティをうたう採用活動をされているとしたならば、日本語が読める外国人留学生だからといって手抜きをしていると、確実にその留学生たちに魅力的でない会社と思われてしまいます。
日本企業十数社が、海外現地に赴いて採用活動をしたところ、知名度ではなく、プレゼンテーション資料の見せ方のうまさで、無名な会社の方に応募者が偏ったということはよくある話です。


あなたが配っている、世界に見せているモノ。
ひょっとして無駄になっている、事によってはマイナスになっているかもしれませんよ?

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