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訪日ビジネスを考える 訪日タイ人を知る (4) ~ タイの定番・人気アプリ~

東南アジアの多くの国において、インターネット依存度が高い傾向がありますが、タイもその傾向が強い国です。
インターネット普及率は約8割、国内の9割のエリアでインターネット接続が可能となっており、回線速度は東南アジア2位とインフラ整備も進んでいます。

タイのインターネットユーザーの主なインターネット用途は「メディア視聴」「宝くじ」「コミュニケーション」「ショッピング」「金融(銀行・投資・消費者金融)」です。
利用デバイスは、スマートフォンが7割を占めており(内8割はAndroid端末)、アクティブユーザー層は40代以下です。
タイにおける定番人気アプリ(非ゲーム)は以下の様になっています。

Facebook ~ ユーザー 5,000万人超

朝起きてSNS、夜寝る前にSNS。という生活を送る10代20代を中心に、数字上はタイの全てのインターネットユーザーが利用しているのは、Facebookです。以前、バンコクが世界で最もFacebookが使われている年になる程の定着ぶり。Facebookは、単なる自分の情報発信の場としてではなく、ECサイト、ニュースサイトとしての用途でも盤石の地位を占めています。

Facebook Messenger ~ ユーザー 2,600万人超

Facebookが普及しているということは、もちろん、メッセージアプリのMessengerも広く普及しています。ただし、最近では、LINEがメインになっています。

 

LINE ~ ユーザー 4,000万人超

LINEゲームアプリがきっかけとなり、ユーザーが爆発的に増加し、動画配信、ニュース配信、人材紹介、決済サービスなどに展開し、現在は現地メガバンクであるカシコン銀行と合弁し、もはや欠くことのできないインフラにまで成長しています。

 

Instagram ~ ユーザー 1,500万人超

年20%以上のユーザー数増加を続けており、まだまだユーザー数が増えそうなInstagram。現地人気芸能人のフォロワー数で見ると、日本よりも多いフォロー数を持っているなど、活況実態は日本以上と言えるでしょう。

 

Wongnai ~ 会員数300万人

タイ最大のレストランガイドであり、ヘルス&ビューティーや、LINEと提携してデリバリーサービスに進出するなど、日本で言うとホットペッパーみたいなサービスです。(2013年には実際ホットペッパーの運用会社から資金調達していますが。)Webサイトもあるため、ユーザー数で言えばおそらくタイのインターネットユーザー全てといえると思います。

 

Kaidee ~ ダウンロード数500万超

タイ最大のオンライン売買サイト(BtoC、CtoC)のアプリ。日本で言えば、ラクマやメルカリといったところになりますが、このKaideeは2013年からCtoCサービスを展開している老舗(現在の名称Kaideeになったのは2015年)です。当初全て無料、広告掲載も無しという、収益源ゼロのサービス展開をしていたという強者ですが、親会社が、以前も紹介したポータルサイトsanookを運営している企業であったからこそできたといえます。ちなみにタイで最も人気のある売買カテゴリーは中古車で、このカテゴリだけで約400万UU/月の閲覧者がいるとのこと。

 

他にも多種多様なアプリはありますが、メジャーどころは以上のようなものです。
「“訪日”という点に寄与するのはどれか?」という元々のテーマに沿って言えば、SNSやメッセージアプリでも個人間のやりとりを目的としている物は、あくまでも国内向けの利用であり、広告出稿先としてあまり向いていません。
さらに、広告に関してはAbBlockを入れているユーザーが若年層を中心として多く、ターゲットに思ったほど配信されないケースも見受けられます。

つまり、タイ人にとって海外の情報を取るとなると、YoutubeやInstagramの非広告コンテンツが主な対象になりますので、これらに力を入れると訪日という点に寄与すると言えるでしょう。

 

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