CJコラム

「なんか怪しい」機械翻訳。正確な翻訳ができる日はくるのでしょうか。


いままで機械翻訳についていくつかのコラムを掲載してきました。
あらためてと言いますか、いまさら聞けないと言いますか、「機械翻訳とは何か」の疑問に戻ってみます。

「翻訳ソフト」をグーグルで検索すると、こんなものもあるのかと思うほどたくさんの商品が見つかります。
これら全てが機械翻訳にあたるものたちです。

中身を全て確かめてみることは難しそうです。
選ぶにしても見た目や評判で選ぶと失敗しそうな気配を感じる方も少なくないのでは。どれを選ぶにしても基礎的知識は必要なので、一般論にふれておきます。

そもそも機械翻訳って辞書みたいなものと考えているものが、従来型の機械翻訳で「本」=「book」という翻訳ルールに従ったもの。
しかし、日本語で本について人と話をしているとき無意識に「図書」とか「書籍」とか、出版することを「本をだす」などと言っていませんか?
あらためて考えてみると、以外と「=」では結びつかないのではないでしょうか。

自然な会話では、辞書にあるような一対一のルールで、モノとモノが結びついていないようです。
英語学習で少し上達してくると、「book」の類語とニュアンスの違いを知るようになってくるのも、少しわかる気もしてきます。

それでは、語彙を増やせばいいのでは、と思うかもしれません。
「本」「図書」「書籍」=「book」「publication」・・・ともっと増やすこともできます。
これで解決しそうでしょうか?

・・・

解決は難しそうです。
「昨日、図書屋さんで図書を買った」という文章が自然な会話かどうかを考えれば、答えは明確です。
よく「文法的に間違っているの?」と聞かれることが仕事上多いのですが、「本屋」とは言うが「図書屋」とは言わない、「図書館」とはいうが「本館」と書くと別の意味となってしまいます。「図書」も「屋」も日本語として間違っていませんが、もし本の街、神田神保町で「図書屋はこの近くにありますか?」と外国人に聞かれとしたら、きっと近くの「本屋」を教えてしまうのではないでしょうか。この場合も意味は通じていますよね。

決まったルールに従った従来からある機械翻訳が「なんか怪しい」と感じさせる理由がお分かりでしょうか?

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