中国の人気SNSプラットフォーム一覧&日本企業における宣伝利用の可用性 Vol.2
中国市場の巨大な消費力とアクティビティに惹かれ、中国市場を開拓しようとする海外企業も多くなっています。一方、インターネットの普及とともに、数多くのオンラインプラットフォームが生まれ、海外企業と中国消費者との距離が縮まり、宣伝・集客活動をダイレクトに消費者に行う時代にとなりました。しかし、昨年末あたりから「インターネットビジネスにおいての人口ボーナスによる特需効果が終わりつつある。」との論調が言われるようになってきました。
インターネットの人口ボーナスとは、新規インターネットユーザーの急増によって、企業が少ないコストで短期に集客、利益を得ることが可能な状態を指します。しかし、近い将来、中国の13億という膨大な人口は、中国のインターネットマーケティングにおいて重要な意味をもたなくなるかもしれません。
(http://language.chinadaily.com.cn/2015-09/18/content_21917650.htm)
今後、中国のインターネットをプラットフォームとした宣伝・集客を考えている日本企業は、「利用者○○〇億人以上」の人気SNSにこだわらず、自社の業務の特徴や優位性からプラットフォームを選択して広告を出すことが重要となります。
今回はUGC(画像や動画などユーザーが生成したコンテンツ)のプラットフォームを二つ(知乎&小紅書)紹介します。
(https://pttnews.cc/6fef6c280e)
知乎
(https://zhuanlan.zhihu.com/p/26914691)
知乎はYahoo!知恵袋と似ています。その名は『論語』の名言「誨女知之乎、知之爲知之、不知爲不知、是知也[1]」に由来しています。知乎ユーザーはプラットフォームで質問したり、他人の質問に答えたりすることができます。科学、文学、芸術、技術等の真面目な質問から、「どうやって食いしん坊の猫ちゃんをダイエットさせるの」「きれいな人はどうやって自分がきれいであることを知ったか」等のユーモアのある質問まで、全て知乎で見つけることができます。また、ユーザーは質問や回答に対して「賛成」「反対」等のボタンを押すことで自分の姿勢を示すこともできます。
世の中に売れない製品はありません。売れないのはその製品の位置づけを誤ったからです。メディアエンターテインメント企業でもない限り、必ずWEIBOが自社製品の宣伝媒体に向いているわけではありません。知乎を利用して日本企業が真面目な質問に回答し、プロフェッショナルなイメージを認知される方法はもちろん、ユーモアのある質問に答えることで大きな人気を得ることも可能です。
知乎のユーザーは特に趣味に関する質問に大きな関心を寄せています。特定の質問を見ているユーザーは潜在的な顧客になるかもしれません。事業内容と関連する質問を回答したり、知識や見解を伝えたりします。多くのユーザーに認知されるようなることで、ユーザーとの信頼関係が築かれ、特定分野でのプロフェッショナルなイメージやブランドイメージを構築することができます。これらの活動は宣伝のための良い土台作りとなります。
日本企業の宣伝利用のおすすめ度:★★★★☆
小紅書
(https://lxr.co.jp/blog/7913/)
知乎と同じく、小紅書もUGC、つまりユーザー作成コンテンツによるプラットフォームです。
しかし、小紅書はよりはっきりとした位置付けがあり、美容化粧品、ブランド品、旅行フィットネスなどを取り扱っている日本企業に適していると言えます。
企業は小紅書で公式アカウントを作り、継続的な宣伝活動や個性あるKOL[2]を育成して、長期的な宣伝活動をすることができます。もし、自社でKOLの育成が難しいと判断した場合、既存の人気KOLや著名人に広告宣伝を依頼することもできます。広告費用は依頼先の人気に応じて変化します。公式アカウントよりも、中国の消費者の多くは個性のあるKOLの声に耳を傾ける傾向が強くあります。一般人の発言は影響力が小さく、多くの中国の消費者はKOLたちが推奨、紹介する商品を参考に、自分の需要に合わせて最終的な購入を決めています。
日本企業の宣伝利用のおすすめ度:★★★★☆
[1] 現代語訳:仲由子路(ちゅうゆうしろ)よ、お前に “知る” と言う事を教えてあげよう。 それは知っている事を知っていると認め、知らない事を知らないと認めることだ。これこそ本当に “知る” と言う事だ。
[2] 中国のSNSで影響力のある人のこと