CJコラム

中国人にとって「使い心地の良いサイトとは何ですか?」~Vol2~

前回に続き続編です。

 

片手操作

中国では「横になることができるなら絶対に座らない。座れることができるなら絶対に立たない。立つにしても必ず体を壁にもたれさせる。」という言い方があります。中国でインターネットを利用する際も同様です。「QRコードがあるなら絶対にURLを使わない。URLがあるなら絶対にUCブラウザや百度などを利用して入力検索しない。入力する文字は可能な限り友人やその他からコピーして検索欄に張り付ける。」多くの人は両手で端末を操作しないので、片手で操作できる工夫が必要になります。

そこでしか閲覧できないような内容や割引券がないかぎり、ほとんどの中国人は「サイト名を検索欄に入力して検索することはない」と言っても過言ではありません。多くの人はTAOBAO、WECHAT、WEIBOなどの情報統合プラットフォームでのリンクやQRコードを通してサイトを閲覧する傾向があります。TAOBAOの商品名には自動でアプリケーションに移動する機能もついています。そして、各サイトのQRコードが至る所に張られています。

インターネットを利用して中国市場を開拓する場合、思いつくところ全てにQRコードを貼り付けてください
少なくとも、有効なURLリンクをSNSで拡散してください。
なぜなら、ユーザーの中には上司の目を盗んで、仕事中にWebサイトを見ている人もいるからです。携帯電話の画面をタッチして見たい内容をちらっと見て、すぐ画面をロックします。これらの操作は、両手でやると目立つので片手でやる必要があります。そして、イワシの缶詰のように窮屈で手を挙げる隙間もない電車の中では、まず数秒でサイトの内容をパッと見て、下車後に時間をかけて詳細をみるかどうかを決めます。

現在の中国ではお金の支払い、受け渡しも携帯電話のアプリケーションを利用しています。
屋台のおばさんでさえもQRコードを持っています。ユーザーは手間暇をかけた検索や操作を好みません。より簡単にWebサイトやアプリケーションにログインできる工夫は、ユーザーの時間と労力の負担を軽減することに繋がります。そして、片手で操作することができれば、空いた手でカバンを持ったり、彼氏(彼女)の手を握ったりすることもできます。


クイックリーログイン

中国で一定期間生活すると、携帯メールやEメールを前回いつ利用したかを忘れてしまうぐらい利用しなくなります。携帯メールによる認証ナンバーの確認や携帯メールで送られてくるURLを利用した認証、プラットフォームごとに登録する方法も、もう時代遅れとなっています。そして、IDやパスワードを忘れた際の処理が非常に面倒です。IDやパスワードを再発行する際は、登録したメールアドレスを利用することになりますが、そのメールアドレスを利用するためパスワードを忘れていることにその時点で初めて気づくこともあります。しかし、クイックリーログインを利用することで、これらの煩わしい作業から解放されます。クイックリーログインは複数のアプリ―ケーションやWebサイトと連動しているため、一つのアカウントだけでログインが可能です。

クイックリーログインの安全性は大丈夫ですか?

例えば他人のALIPAYのアカウントを盗もうとする場合、ログインパスワード、支払パスワード、Eバンクパスワード、銀行カードの窓口業務用パスワードなどを入手する必要があります。そして、これらのパスワードがクラックされ、アカウントに登録している銀行カードを別の銀行カードに入れ替えようとしても、銀行カードの口座名義人とALIPAYのアカウントユーザー名が一致しない限り、そのアカウントにお金が振り込まれることはありません。厳重なセキュリティ対策によって、個人情報が多数のアカウントと連動しているクィクリーログインでの情報漏洩はそう簡単ではありません。そして、情報の安全はアプリ会社とサイト主が考えるべき仕事であり、個人が注意して守ることには限界があります。また、中国のインターネット上で完全に情報を隠すことができるのでしょうか?論理的制限から脱して、クイックリーログイン機能を活用しましょう。それによって、より多くのお客を確保することができます。

多くの人は美容のために顔パックをしながら、Webサイトでアカウント申請をしています。顔パックが終わっても、アカウントの申請が終わらないようであれば、そのWebサイトのアカウント登録をあきらめてしまうでしょう。使いやすいWebサイトはユーザーの手間や操作の時間の短縮に知恵を絞って様々な工夫を凝らします。現在はライバルとなるWebサイトが多くあり、ユーザーは容易に他のWebサイトに移ってしまいます。大阪ユニバーサル公式サイトを利用したことがある人であれば理解できると思いますが、公式サイトでのチケット購入を諦め、チケット代金の30%を多く払ってでもTAOBAOのチケット購入代行を利用する人は少なくありません。これは大阪ユニバーサル公式サイトのチケット購入ページでは、ユーザーは多くの操作を行う必要があるためです。そのため、多くのユーザーはチケット購入前のユーザー登録の時点で、購入意欲を失ってしまうのです。

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