ちょっと待って!印刷用紙のサイズは大丈夫?
今回は日本と海外の印刷用紙のサイズについて注意点のあれこれをご紹介します。
A版とB版のサイズがあるのは知っているけど・・・
販促資材の制作に限らず、皆さんが普段プリンターなどで印刷作業をする時の用紙にはA-4サイズ、B-4サイズと言ったように、A版サイズとB版サイズがあるのはご存知だと思います。では、海外ではどうでしょうか?この2つのサイズで印刷作業を行うときはいくつか注意が必要になるんです。ポイントをみていきましょう。
ポイント1)A版サイズは世界共通。
紙のサイズの規格は工業規格で定められています。A版サイズは日本では正式には、『A列~』となります。
例えば一番大きいサイズの「A0」は「A列本判」と呼ばれます。これを半分にきると「A1」。「A1」を半分にきると「A2」。
この「A列本判」は、1911年にドイツの科学者F・W・オスワルトが考案しドイツで1922年に制定されたDIN476規格となり、国際規格として広まり、日本ではこの規格を1929年に取り入れ制定し、その後、日本工業規格(JIS)ISO216に定められています。
ポイント2)アメリカや北米では「レターサイズ」が一般的。
A版サイズは国際規格なので世界中で対応できますが、アメリカなどの北米では、カタログなどはA版サイズではなく、アメリカ合衆国で規格化された国際標準ではないローカルな規格の「レターサイズ」が一般的です。特にアメリカ合衆国では、政府用規格として公式採用されています。レターサイズは8.5 inch x 11.0 inch (216×279mm)になります。A4サイズの210 × 297mmと比べるとA4サイズはかなり縦長です。
【並べた時のイメージ】
ポイント3)日本のB版はローカル規格
B版サイズは、A版サイズと同じく正式には、『B列~』と規定されていますが、日本のB版サイズ規格と国際規格のB版サイズは、名称が同じでも寸法が違います。
<国際規格のB版サイズ>
・B0サイズ: 1000㎜×1414㎜
・B2サイズ: 500㎜×707㎜
・B4サイズ: 250㎜×353㎜
<日本の日本工業規格(JIS)JIS P 0138>
・B0サイズ: 1030㎜×1456㎜
・B2サイズ: 515㎜×728㎜
・B4サイズ: 257㎜×364㎜
日本では、全体的に国際規格より大きくなっています。これは、江戸時代に尾張藩が美濃地方で作らせた美濃和紙が公用紙として流通していた事に由来し、日本独自の規格です。
この様に紙の用紙サイズは、日本と海外では、同じ名称でも寸法が同じだったり違っていたり様々です。また仕向地域で一般的に使用されるサイズも異なります。販促物を海外現地で印刷する際、また海外から印刷データを取り寄せる場合は、思わぬ結果にならないように実寸法のサイズをしっかり確認することが大切です。